点灯してない「みさき公園」の灯台は本物じゃない? 存在理由って
みさき公園の灯台は「本物」じゃない? 本当は観光灯台で今は使用中止に 撮影・編集・報告:柳曽文隆 岡本ゆか 音楽:LIKALIFE THEPAGE大阪
大阪府岬町にある「みさき公園」は、今年開園60周年を迎える遊園地と動物園を併設した、関西を代表するテーマパークだ。そんなメモリアルイヤーとあって、最近何度か足を運んで取材をしたが、一つ気になるものを見つけた。同園内の高台にある「灯台」だ。海辺だし別に不自然ではないが、ずいぶんと年季が入っている様子だが点灯している様子がない。そして関係者らは「海図には載っていないんです」と話す。その理由は? 【拡大写真と動画】大阪・60周年の遊園地で今もなお健在の「トップスインガー」で立ちこぎ
2014年9月に老朽化のため展望など使用を中止
「実はこの灯台、本物の灯台というわけじゃないんです」と語るのは、同園の真貝征志郎園長。真貝園長と同園広報担当の堀裕貴さんによると、この灯台は1961年に建てられたもので、過去に実施された「灯台展」などの資料では「日本で初めての観光灯台」で、高さは約23メートルと記されているという。 主に展望用として多くの来園者に利用されており、淡路島などの景色を眺めることができたが、2014年9月に老朽化のため使用を中止したという。真貝園長は「すぐに崩れるとかそういうことではないんですが、やはり安全のために使用を中止しています」と説明する。 そして、本物の灯台ではなく、海図にものっていないため海を照らすことはなかった。だが、堀さんは「海を照らさない代わりに、陸(園内)を照らしてはいたそうです」と話す。
小泉今日子が「ザ・ベストテン」でここから中継で歌ったことも
この灯台、かつてテレビにも出たことがあるという。堀さんによると、1984年に、かつて放送されていた人気歌番組「ザ・ベストテン」の中継で、歌手の小泉今日子がこの灯台から出演。「迷宮のアンドローラ」という曲を歌ったことがあるという記録も残っているという。
使用できなくなり約3年となるが、真貝園長は「本物の灯台ではありませんが、シンボル的な存在ではありますね」と話す。展望台の役目は終えてはいるが、きょうも灯台は楽しく遊ぶ子どもたちの様子を見守っている。