とよたかずひこさんが紙芝居と絵本読み語り 安房この本だいすきの会 鴨川(千葉県)
安房この本だいすきの会(原政子代表)が主催する「第27回この本だいすき房州鴨川セミナー」が27日、鴨川市の県立鴨川青少年自然の家で開催された。絵本作家のとよたかずひこさんが、自身の紙芝居や絵本を読み語りして、集まった親子ら170人を楽しませた。 「安房の子どもたちに、心と言葉を育むたくさんの絵本や物語に出合わせたい」と、読み聞かせを中心に活動している同会。セミナーは、1993年の第1回からコロナ禍を除き毎年、著名な作家や研究者を講師に招き開催している。 これまでは、会員や読み聞かせボランティア、教育関係者ら向けのセミナーだったが、今回は「子どもたちを真ん中にしての講演会にした」(原代表)と、初めて子ども向けの紙芝居と絵本の読み語りの実演を盛り込んだ。 講師を務めたとよたさんは、200作品を超える絵本や紙芝居を出版し昨年、絵本づくり40年を迎えた。シンプルな絵が特長の“とよた絵本”の読み語りと紙芝居は、とよたさんのリズミカルな言葉と相まって、子どもから大人までを魅了している。 セミナーでは、紙芝居で「はい、タッチ」(童心社)や「でんしゃがくるよ」(同)、大型絵本で「ももんちゃんあそぼうシリーズ」(同)の「どんどこももんちゃん」や「バルボンさんシリーズ」(アリス館)の「バルボンさんのおでかけ」など、計8作品を披露した。 合間には、「娘が読み聞かせをしてほしいというので、お父さんがつくってやる」と絵本作家になったこと、「地域の子どもたちとの触れ合いや家族との出来事の中から作品が生まれる」という作品秘話を、とよた節で語り、大人も飽きさせなかった。 「絵本は、ページをめくることが大切。作家は、この間を考えて作品をつくっている。子どもたちに求められたら時間をつくり、紙の本で読んであげてほしい。とよたの絵本は、2分で読めます」などと締めくくった。 「初の試みだったが、これまでのセミナーの倍の人が集まり、主催者としてもうれしい。絵本の持つ力と、とよたさんの人間味あふれる実演とお話の力が大きかった」と原代表。 会場の親子は「紙芝居が始まると静かになり集中して聞き、反応する子どもたちに驚いた。親子で参加し、本に親しむよい機会だった」「とよたさんの優しい人柄で、子どもが絵本をもっと好きになったようです」などと話していた。 とよたさんの許可を得て、紙芝居と絵本の読み語りの様子を、房日新聞公式ユーチューブで公開している。