米海軍が新兵採用のために「パズルゲーム」をスタート
長年にわたって新兵の採用目標達成に苦労してきたカルロス・デル・トロ米海軍長官は10月1日、米海軍の新兵採用が2024年度の目標を超えたと発表した。2024年度の目標は4万600人で、過去2年よりも多い。2024年度はスロースタートだったが、それでも、常備兵力となる新兵4万978人をどうにか入隊させた格好だ。 とはいえ、米海軍と米軍のほとんどの部門は、人集めに関してますます創造性を発揮するようになっている。例えば、Z世代に狙いを絞ったソーシャルメディアでのキャンペーンもその一例だ。 米海軍は10月、掲示板型SNSのReddit(レディット)でロールプレイング・ゲームを公開した。プレイヤーが暗号を解読し、手がかりを探して、指令を完遂するゲームだ。10月末まで継続するこのキャンペーンの目的は、次世代の潜水艦乗組員を引きつけることにある。 この「サブ・レディット・ハント(Sub Reddit Hunt)」キャンペーンの背後にいるクリエイティブ企業VMLによれば、キャンペーンの名称には、潜水艦(サブマリン)の「サブ」と、レディットに無数に存在する「サブレディット(スレッド)」で遊ぶことの、両方の意味合いがあるという。 海軍新兵募集司令部の司令官を務めるジェームズ・P・ウォーターズ海軍少将は、声明でこう述べている。「潜水艦乗組員をはじめ、優秀な未来の海軍兵士を確実に集めるために、海軍は、ソーシャルメディアやデジタルプラットフォーム上で潜在的な候補者と交流するための革新的な方法を常に模索している」 Ad Age(アド・エイジ)が伝えたところによれば、サブ・レディット・ハントは、パズルの趣味をもつ人を探し出すためのものだという。ゲームをクリアするには、プレイヤーはいくつかの指令を完遂しなければならない。米海軍は2018年からレディットに広告を出しており、「レディットのユーザーにはっきり認識される声とスタイルをつくりだす」試みを数年にわたって続けている。 これまでにも、「May the Fourth(5月4日)」と、スターウォーズの名台詞である「May the Force be with you(フォースと共にあらんことを)」が似ていることから、5月4日がスター・ウォーズの日とされていることに乗じて、幅広い層にアピールした例などがある。一方、今回のハントは、特定のタイプの人に的をしぼったものだ。 Recon Analytics(レコン・アナリティクス)のソーシャルメディア・通信分野担当アナリストを務めるロジャー・エントナーは、「海軍はこの適性テストにより、広い範囲に網を張り、普段なら海軍のことなど考えない人たちにも興味をもたせようとしている。この種の作業に刺激を受ける人を見つける革新的なアプローチだ」と述べている。