展望2025とやま「選挙イヤー」政治とカネの問題続く中 夏に参院選 信頼回復は
富山テレビ放送
新しい年が動き出しました。 7日から「展望2025とやま」と題し政治、経済、社会の動きを見ていきます。 7日は「政治」。 去年に続き、「選挙イヤー」の今年、県内で行われる選挙は、富山、高岡、上市、射水で市長・町長選挙、7つの市と町で議員選挙、夏には、去年秋の衆院選に続く政治決戦、参議院選挙が控えています。 6日開かれた自民党県連の新年の会合。 毎年、国会議員と県議会議員が一堂に会しますが…今年は田畑裕明衆議院議員の姿はありませんでした。 不適切な党員登録問題を巡り2024年12月、県連の常任顧問を解任されたためです。 その会合で、衝撃的な数字が報告されました。 *自民党県連 宮本光明幹事長 「昨年12月27日現在で2万5412人。残念ながら2498人の減となった」 全国一の組織率を誇る富山県。 その「自民王国」で、去年の党員数が2万5412人と前の年から1割近く減り、過去3番目に少なくなりました。 特に旧富山市がエリアの富山1区の減少率が最大で、2割以上の減少となりました。 富山1区の党員数の落ち込みは田畑議員の問題の影響はあったか? *自民党県連 宮本光明幹事長 「それはもう当然、県連全体もそうだが、1区の問題は大変大きい要素だと認識している」 会合では、挨拶に立った議員が揃って「厳しい状況」を口にしました。 *自民党県連 橘慶一郎会長 「私どもの色々な問題等を含めて政治姿勢について厳しい審判をいただいた。しっかりと信頼を取り戻していける、再生に向けて一歩一歩進める年になるよう心がけていきたい」 去年から問題が相次いでいる田畑議員。 県連は、富山1区について、次の衆院選の公認候補となる選挙区支部長を無期限で認めない判断を下し、空席のままとなっています。 田畑議員を支援する企業後援会には、「解散すべき」との声もあり、衆院選で田畑議員を推した富山市連は、夏の参院選への影響を懸念し、すでに公認が決まっている堂故茂議員と写るポスターを速やかに外すよう、各地域支部に指示しました。 *田畑裕明衆議院議員 「市場関係者すべての皆様がやりがいを持って、力強く明日に一歩を踏み出せる下支えとなるよう、政治の役割を果たしていきたい」 県連の宮本幹事長は、次の衆院選は常在戦場だとして不在となっている富山1区の選挙区支部長の選考を急ぐ考えを示しました。 *自民党県連 宮本光明幹事長 「早く支部長を選任することが重要だと認識している。しっかりとすり合わせをしていきながら、早い段階で(選考の)スケジュールを決めたい」 7日開かれた県内最大の労働団体、連合富山の新年祝賀会。 支持母体の始動にあわせ、立憲民主党が躍進へ気勢を上げました。 *立憲民主党県連 山登志浩副代表 「政治は変わる、暮らしが良くなる、社会が変わることを実感できる1年にしたい」 去年秋の衆院選で県内初の国会議員が誕生した立憲民主党。県連は、1月中に、夏の参院選の候補者を擁立する構えです。 そのうえで、焦点となるのが野党共闘の行方です。 *立憲民主党県連 菅沢裕明代表 「全国でこれからの党本部の指導のもと選挙協力の協議が進むと思う。富山でもそういう流れになるのは大歓迎。参院選で与野党逆転、その一翼をしっかり富山から担っていきたい」 立憲と同じく連合から支援を受ける国民民主党は、県連が、2月上旬までに候補者を擁立する考えですが、「野党共闘の協議を立憲以外の野党とするつもりはない」と含みを持たせます。 *国民民主党県連 橋本雅雄幹事長 「立憲民主党との関係を考えながら同じく一本化できるだろう。他の政党とは協議する必要もないと思う。考え方が違うからこそ政党」 一方、富山維新の会や共産党県委員会は、候補者の擁立を模索していますが、野党共闘には慎重です。 県内政治に詳しい専門家は自民王国、富山の有権者の投票行動に変化があるとし、与野党ともにこれまでの戦い方を見直すべきと指摘します。 *東北大学大学院 河村和徳准教授 「自民党の中でも改革を言わないと集票できない構図が生まれてきている。かつてのようにこの先生に任していれば大丈夫ではなくて、古いタイプか新しいタイプか、都市的なタイプか田舎的なタイプかを有権者は厳しく見るようになってきている。野党側も経済やお財布の話、自分の懐具合に関わることをきちんと言わなければ票は伸びない。自民党を叩いていれば選挙に勝てる時代は終わってきている。自民党以外の既成政党も変わらなければいけない」 石破首相が夏の衆参同日選の可能性を否定しないなか、準備を進める与野党。 いまも、政治不信が募る中、富山でも、各党の動きが活発化します。
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