生成AIで注目、次々と年初来高値を更新する「空調関連株」3社の決算は?
チャットGPTの登場で、株式市場の最注目テーマは「生成AI」となりました。世界中の投資家が、生成AI技術を持つ企業や、その技術を活用している企業に注目し、関連銘柄の株価は軒並み上昇傾向にあります。 【画像】生成AI関連銘柄を見る
全投資家が注目のNVIDIAは過去最高値を更新
いうまでもなくその代表株はNVIDIAです。当社は、生成AIのトレーニングに必要な高性能GPUを提供しており、その需要は爆増中。毎度毎度、予想を超える売上利益を達成し、さらに高い見通し予想で投資家を驚愕させています。 ちなみに全投資家が注目したNVIDIAの第1四半期決算は、売上260億ドル(前年比3.6倍)で、売上から原価を引いた粗利益率は78.9%と前四半期の76.7%からさらに高まっています。これは、顧客がNVIDIAの言い値で買ってくれていることを表しており、当社がAI向けのGPUでは引つづき独占的な力を持っていることが分かります。この決算を受けて、株価は1000ドルを超え、過去最高値を更新しています。 しかし、この株価上昇をみると、今からNVIDIAの株を買うのは二の足を踏みます。アナリストの予想によれば、当社は2025年、2026年もさらに成長し、見通しから計算される予想PERは30倍程度。けしてバブル的な数字ではありません。とはいえ、今の円安時に買った場合、株価は堅調でも円高に触れたときの下振れが懸念されます。投資家としては、生成AIによる産業革命の波に乗りたいけれど、もっと身近で分かりやすい銘柄はないでしょうか?
NVIDIAを凌ぐ株価上昇劇をみせた「さくらインターネット」
日本の株式市場で生成AIブームのもっとも大きな恩恵を受けそうだと期待されているのは、データセンターを運営するさくらインターネット(3778)です。生成AIの発達によって、大量のデータが発生します。その管理や処理を行うためのデータセンターの重要性はますます大きくなるからです。 2023年、6月に経済産業省が、国内での生成AI開発の基盤づくりを行うため、クラウドを通じて生成AIの開発を手掛けるスタートアップなどに、スパコンの計算能力を安価で提供するのを条件に、さくらインターネットに財政支援を行うと発表しました。そこで当社への投資家からの視聴率は、一気に高まり、当時700円台だった株価は、2024年3月には10980円というNVIDIAを凌ぐ株価上昇劇を見せました。さすがに過熱感から、現在は5000円台まで調整していますが、それでもPERは152倍。ここまで期待値だけで株価が上がってくれるのですから、日本の小型株にはやはり投資妙味を感じます。 データセンターへの視聴率がやや低下してきた今、代わりに視聴率を高めているのが”空調”関連です。大量のデータを処理するには、大量の電力を消費するため、高熱を発します。わたしは、夏場にパソコンを使用していると高熱になるため、小さい扇風機を使用しています。家庭レベルでそうなのですから、データセンターがどれほど熱くなるかは、想像にかたくありません。 じつは今年に入って空調関連銘柄が、次々と年初来高値を更新しています。業績は非常に堅調で、思惑買いというよりは、実績買いと言えそうです。