【オーストラリア】豪でデジタル入国カード試験、まずはNZ対象
オーストラリア国境警備隊(ABF)は、海外からの入国者に必須としていた紙の入国カードを廃止してデジタル版渡航申告書を導入する計画について、試験導入を行うと発表した。現時点では、カンタス航空を利用して空路で入国するニュージーランド(NZ)からの旅行客が試験対象だ。オーストラリアンが報じた。 オーストラリア商工会議所(ACCI)の観光部門から入国審査が先進的でないとの指摘を受けて導入する。 従来の入国カードは機内で配布され、空港での審査までに必要事項を記入する仕組みだったが、デジタル版渡航申告書は出発の72時間前からオンラインで手続きが可能だ。情報入力後にQRコードのデジタルパスがEメールで送付され、入国時に提示するだけですべての手続きが完了する仕組み。 ABFのマイケル・アウトラム局長は「デジタル版渡航申告書の導入により旅行体験を向上し、2032年開催のブリスベン夏季五輪への準備を進める」と話す。 ACCIの観光部門のジョン・ハート代表は「今回の試験がうまくいけば、他国からの入国者に対してもこの手続きを導入するのは容易だろう」と話し、将来の入国審査のデジタル化に期待を示した。