NHKスペシャル史上最難解!? “量子もつれ”を紐解く拡大版、28日夜。ナレーションは宇多田ヒカル
NHKは、かつてアインシュタインが「オカルトだ」と否定した人類最後の謎、“量子もつれ”の世界を伝えるNHKスペシャル「量子もつれ アインシュタイン 最後の謎」を、12月28日22時~23時13分に総合テレビで放送する。ナレーションは春風亭一之輔と、この番組がナレーション初挑戦の宇多田ヒカル。 【画像】「量子もつれ」はアインシュタインも「オカルトだ」と否定したという(C)Getty Images “NHKスペシャル史上最難解!?”という番組。天才・アインシュタインが「オカルトだ」と否定し、現在も数多の数学者・物理学者たちが「なぜ起きるのか、理解が難しい」と話す“量子もつれ”。その存在が証明され、ノーベル賞に輝いたのは2022年のことだった。 その後、急速に研究が進み、従来のコンピューターの計算速度をはるかに凌駕する「量子コンピューター」といった形で社会の注目を集めるようになった。現在では世界中で、この未来の技術について激しい開発競争が進められている。 さらに“量子もつれ”の存在は、これまで信じられてきた、宇宙や人間に対する認識そのものを根底からくつがえし始めている。 そもそも“量子もつれ”とは、あらゆる物質の最小単位である粒子(量子)が、仮に宇宙の果てほど離れていたとしても同時に影響し合うという奇妙な現象のこと。まるでテレパシーでやり取りしているかのように「ふたつの粒子がもつれ合って関係」している。 この“量子もつれ”を応用した「超高速・量子コンピューター」が実用化すれば、さまざまな難病を治癒する特効薬の開発、無事故の“空飛ぶ車”の実現、あるいはあらゆる暗号の無効化といったことが実現するかもしれない。さらには人類の夢の技術・テレポーテーションにまで道を開き、人類の未来を飛躍させる可能性を秘めているという。 そんな“量子もつれ”の実在が確かめられるまで、100年近くにおよぶ科学者たちの壮絶な戦いがあった。相対性理論を打ち立てた、あの天才アインシュタインでさえ「ありえない」と信じず、証明に挑んだ人たちには「無意味な研究だ」と嘲笑が浴びせられたという。 番組では、ノーベル賞受賞の“天才”たちを取材。最新のCGを駆使し、人類最大の謎、“量子もつれ”の映像化を試みた。「アインシュタインの問題提起から混迷を深めていった科学者たちの苦悩や奇跡の連鎖とも言える執念の格闘を追いながら、“量子もつれ”がひらいた新たな地平をみつめる」とのこと。 この番組でナレーション初挑戦となった宇多田は「オファーを頂いた時『絶対にやりたい!』と思いました」とコメントしている。 「今年の春に発表したベストアルバムにまつわる一連の取材の中で、最新曲『Electricity』は量子もつれという現象がテーマで、人と人の間の目に見えない結びつきを歌にした、と語る私の姿が番組制作陣の目にとまったらしいのです」 「ナレーション初挑戦でしたが、現場の皆様のおかげで和やかに、学者たちのインタビューに感動して時折泣きそうになりながら、最後まで楽しく収録できました。一視聴者としても放送がとても楽しみです!」 また同じくナレーションを務めた春風亭一之輔は「私(文系)はまるで通ってこなかった道なので、事前に息子(理系)に『量子もつれ』について聞いてみましたら、余計わからなくなりました。口に出してナレーションすると、少し理解できたような気になるのは不思議なもので」と振り返った。 「どんな分野においても、熱意をもって取り組んでいるのに周囲から理解を得られない人もいます。他人の目を気にせず真っ直ぐに。なかなかできることではないなと、自分を顧みるいい機会になりました」
AV Watch,酒井隆文