大谷翔平18歳の気遣い「この角を曲がったらダッシュしよう」水本弦が懐かしむ“日本代表・韓国の休日”「大谷選手は嫌な気持ちにさせないんです」
韓国戦での投球をセンバツでされていたら…
大谷の変貌ぶりを、チームメートとして感じ取れた理由。それは対戦相手として投手・大谷と向き合った経験があるからこそだった。 世界選手権の半年前、水本は春のセンバツで大谷と対戦している。 大阪桐蔭ではチームメートの藤浪や澤田圭佑(現ロッテ)の投球を日頃の練習から見ていたこともあって、大谷の球速や球威に特別な驚きはなかった。試合も大谷を攻略して9-2で勝利した。 ただ、この時の大谷はケガの影響があって万全ではなかった。水本は「韓国戦の投球をセンバツでされたら勝てなかったかもしれません」と本当の力を知った。
大谷選手は全く周りを嫌な気持ちにさせないんです
グラウンドを離れた時の素顔を知ったのも、日本代表でチームメートになった時だった。 代表チームでは夕食後、カードゲームを楽しんだ。 束の間の息抜きで盛り上がる中、大谷は早々に「もう眠いから」と布団に入った。 水本は当時をこう振り返る。 「普通なら真面目過ぎて場の空気を壊してしまいそうですが、仲間に強要することもないですし、たとえ自分のペースで動いたとしても、大谷選手は全く周りを嫌な気持ちにさせないんです」 さらに、こんな出来事もあった。 大会を終えて韓国で過ごす最終日、日本代表の選手たちは自由行動となった。水本は大谷と2人で街をブラブラ散歩した。行き先は決めていなかったが、気になっていたのは長さ30センチのソフトクリームだった。 「見た目はインパクトがあって、味はすごくおいしかったですね」 日本で当時の水本と大谷がソフトクリームをシェアしていたら高校野球ファンから声をかけられ、写真を撮られていたかもしれない。だが、韓国では周りの目を気にすることなく観光を楽しんだ。
「この角を曲がったらダッシュしよう」
完全プライべートな時間で、唯一の“懸念”は日本の報道陣だった。花巻東を卒業後にメジャーに挑戦する可能性を報じられていた大谷は、進路が注目されていた。あるテレビ局は「1日密着させてほしい」と大谷に依頼していたという。 水本は自身の横で大谷がカメラに密着されていても構わなかった。しかし、大谷は「自分のせいで弦(水本)が楽しくなくなってしまうから」と気遣ってくれたそうだ。そして、後ろにいるカメラクルーに声が聞こえないよう、水本にささやいた。 「この角を曲がったらダッシュしよう」 通りの角を曲がった瞬間、2人は全力で走った。作戦は成功。買い物を満喫したのもいい思い出だという。
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