【毎日書評】うまくいく人は、失敗からどう学ぶのか?
「『報告』を怠る人は成長しない」の法則
誰かに相談を持ちかけたり、アドバイスを受けたりする機会はよくあるものです。しかし、そうであるにもかかわらず、それを学びのチャンスとして充分に活かしていない人が多いのではないか。著者はそう感じているのだそうです。 一番もったいないのは、何も聞きに行かないこと。 次にもったいないのは、せっかく教えてもらったことを実行しないこと。 そして、三番目にもったいないと思うのは、実行した結果を報告しないことです。(144ページより) 相手が職場の上司やメンターであるなら、報告を怠ることはないかもしれません。けれども、それほど親しくはない相手や初対面の人に対し、アドバイスの結果まで報告している人はかなり少ないのではないかというのです。 なお、そんな著者は次のような対応を心がけているのだとか。 1:面談中に、議事録をとりながら話を聞いてよいか許可を求める(書くものがないときはスマホで)。その後、対話の中で自分が感じたこと、学んだこと、これから自分が実行することなどを整理してまとめ、お礼状としてお送りする。 2:実行したら「実際こういうふうになっています」と中間報告をする。 3:一通り実行した結果と、そこで感じたこと、学んだこと、さらに相談したいことを具体的に質問する。(145ページより) ここまでするのは、感謝の気持ちがあるからだそう。感謝している以上、それをなんらかのかたちで伝えることに意味があるということなのでしょう。 しかもアドバイスされたことは、実際に自分でやってみて、その結果をもとにさらに研究していかないと、本当には身につかないものだと考えているようです。(144ページより)
「早く解決したければ人に話せ」の法則
学びに関しては、必要なものを自ら学びにいく場合と、日々の仕事の中で課題にぶつかるたびにそれを解決しながら学んでいく場合がありますよね。 そのうち後者に関しては、私は「人生ゲーム」と「わらしべ長者」をイメージしています。そうすると、学びも楽しくなるのです。(147ページより) いうまでもなく「人生ゲーム」とは、すごろく形式で駒を進め、人生におけるイベントを経験しながら億万長者を目指すボードゲーム。そこには、さまざまなイベントやトラブルと向き合う必要のある日常にもつながる感覚があるというのです。 つまり、テストのような「正解」のない課題に取り組み、その結果を「自分の答え」にしていくことがゲームのように楽しいということです。 対する「わらしべ長者」は、1本の稲藁の芯しか持っていないまま旅に出た青年の物語。道中、困っている人を助けるために自分が持っていた藁を分けてあげたところ、相手からお礼として別のものを受け取ることに。そして、以後もそうした交換を続けているうちに少しずつ豊かになり、最後にはお金持ち(長者)になったというストーリーです。 これは、単なるラッキーな物々交換の話ではないのだと著者。最初に持っていた1本の藁を「知識」に、青年の旅を「仕事・人生」に、そして困っている人を「お客さま、同僚、友人」に置き換えてみると、話のイメージが変わってくるというわけです。 困っている人に対して、その時点で持っている知識と実力をフルに使って問題を解決すると、相手から感謝された上に経験と知識を得られます。 これを繰り返していけば、「できること」が増えていき、人のために、より役に立てる存在になっていくというわけです。(149ページより) こう捉えていくと、学び続けることや、難しい課題にぶつかることも楽しく感じられるのではないか。著者はそう述べています。(147ページより) 「失敗からの学び」を軸に、「感謝」「情熱」「チャレンジ」など、人生で成功するために必要な考え方を28の項目にまとめた一冊。新しい年のスタートをきっかけとして前へ進もうと感じているのなら、参考にしてみるのもいいかもしれません。 >>Kindle unlimited、2万冊以上が楽しめる読み放題を体験! Source: アスコム
印南敦史