【全文掲載】18歳小田凱人が金「俺は金メダルを取るために生まれてきた」車いすテニス決勝戦後コメント・前編──パリ・パラリンピック第11日
カッコいいプレーをやめたら僕には何も残らない
心臓バクバクしてて、緊張してて。「どうやってこの流れを止めよう」というのが正直なところでした。逆に相手のミスで、「まだ終わらないぞ」と、自分を鼓舞していたと思います。 ──第1セットはゲームカウント6ー2で順調なスタートでしたが、振り返ってどうでしたか? ちょっとでもベースラインから下がると、良いショットでもクレーコート(土のコート)の戦いは無理があって、もうスーパーショットを打つしかない状況でした。その時間帯は、彼がベースライン上にいて、(第3セットの)4ー5ぐらいから、僕が前に行って彼が少し後ろにいるという印象で。前にいることを2セット目はたぶんやめちゃったのかなと思う。それを途中から自分でやり始めてからは、心臓がバクバクした感じもなくなってきたし、結局はそれが一番大事なんだなと思いました。 ── 一時、前に出るのをやめた理由は何ですか? 途中から彼のショットがコースに決まりだして、1回下がってみたというのは、正直ありました。 ──相手は第1セットの最初の方でいきなりメディカルタイムアウトを取りましたが。 よくある感じかなと思いました。第1セットは取れる自信あって、勝負は第2セットに集中かなと。それで、自分のテンション感で押していけるんですけど、コース読まれると相手が優先になる。気をつけても、ああなってしまう。でも、決勝だからよかったのかなと。第2セットを取られて試合が盛り上がったので、結果オーライです(笑) ──「カッコいいプレーで決めるぞ」というポイントでミスが出ました。 それをやめたら僕には何も残らないと思うので、できるようになるまで続けていきたいです。 ──負けたとしても変えないと。 負けても変えないし、変えたとしても、それがなくなるともう僕には次の手はないんです。守備の練習も間に合わないと思うので、ここから(変更)しても間に合わないと思うので、そのスタイルでやっています。 ずっと変わらないですけど、どれだけ自分で自分のプレーを大きくできるのかという戦いですね。これからは。