もうすぐ60歳で定年ですが、再雇用だと年収が「350万円」に下がってしまいます。収入が減るのは「仕方ない」ですか? この先どう働くべきでしょうか…?
人生100年時代といわれる中で元気な高齢者も増え、定年後も多くの人が働いています。定年後の選択肢はさまざまですが、取りあえずは今まで働いていた会社で再雇用を考える人も多いのではないでしょうか。 同じ会社で再雇用の場合、なじみのある会社で働けるものの、以前よりも年収が大きく下がる場合があります。本記事では、定年後の給料の実態や、定年後の働き方の選択方法について解説しています。 ▼高齢者の「4人に1人」は働いている!? 平均年収はどのくらい?
60歳を過ぎると、全体的に年収は減少傾向
同じ会社で再雇用かどうかに関わらず、全体として多くの会社で定年を迎える60歳以降は、給与が下がる傾向が見られます。具体的には、国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」を見ていきましょう。 同調査では、給与所得者における年齢階層別の平均年収を公開しています。そして、10代から50代までは、年齢が上がるにつれて全体の平均年収は上がっており、最も高い55~59歳では546万円です。 しかし、それ以降の平均年収は60~64歳では441万円、65~69歳では342万円、70歳以降では298万円と、60歳以降は減少傾向です。
同じ会社に再雇用の場合、年収は下がることが8割以上
リクルートが2023年の3月にインターネットにて55~74歳の男女に対して行った、「シニア層の就業実態・意識調査 2023(個人編)」では、定年前後で同じ会社で働いた場合の仕事内容や給料などについて集計しています。 定年前後で同じ会社で働いている人に、定年前の給与を100とした時の定年後の給与の割合について、回答した人の割合は次のとおりです。 ●25%未満:5.0% ●25~50%未満:21.4% ●50~75%未満:43.3% ●75~100%未満:16.3% ●100%以上:14.1% このように、85%以上の人が定年後は以前よりも給与が減少しており、半分未満という人も全体の4分の1以上います。 仮に、定年前に「令和4年分民間給与実態統計調査」の55~74歳の平均年収である546万円をもらっていても、そこから半減すると273万円です。タイトルの「同じ会社で再雇用後は年収が350万円」というのは、極端に少ない金額ではないでしょう。