『海に眠るダイヤモンド』最終回で「全ての謎が解き明かされる」 新井順子Pが語る
――第7話の炭鉱火災は、端島を語るうえで外せないと思います。進平(斎藤工)が炭鉱火災で亡くなってしまう展開はもとから決まっていたのでしょうか? 全体の構成を決めているときから、第7話で進平が亡くなってしまう展開を入れる案が出ていました。なので、斎藤さんにもオファー時からそのように説明していました。 ――炭鉱内の撮影でのエピソードを聞かせてください。 第7話の坑内のシーンは丸4日かけて実際の炭鉱で撮影しました。端島の海底炭鉱は地熱の影響で暑い設定なのですが、撮影でお借りした場所は山にある炭鉱なので、息が白くなるほど寒い。長く滞在すると感覚が鈍ってきて、炭鉱員の皆さんの苦労が身に染みた4日間でした。 ――爆発シーンはどのように撮影されたのでしょうか? あれは本物の炎を使用していて、お借りしている場所での許可をいただいて実際に放水作業も行っています。炭鉱員キャストの皆さんは「粘土を運んでください! 放水してください!」と指示されるがままに動いてくださって、どのシーンを撮っているかわからないほどだったはず。もはやお芝居ではなく、リアルに近いシーンとなりました。 ――制作チームの努力が映像ににじみ出ていますね。 そうですね。特に美術チームには作品を通して本当に助けられています。先日も、とあるいづみ(宮本信子)のシーンを撮影したのですが、季節的にリアルな風景を作り上げることが難しいシーンでした。CGでどうにか…という話にもなったのですが、さすがに何もないところで宮本さんにお芝居していただくのは厳しいんじゃないかと頭を抱えていて…。そうしたら、美術部さんがどうにか季節外れの“あるもの”をかき集めてくれたんです。加えてCGの力もお借りしたのですが、少しでもキャストの皆さんがお芝居をしやすいよう配慮を怠らないスタッフの姿勢に感動しました。 ――緑なき端島は、現代・東京のコンクリートジャングルとどこか重なるような気がしています。 屋上の緑化活動は、実際に端島で行われていたことをベースにしています。リアルな現代で屋上緑化が進んでいることもあり、設定をかけ合わせるため朝子にその役割を担ってもらうことにしました。屋上緑化だけでなく、過去と現在をどのようにリンクさせていくか常に考えていたのですが、挑戦してみたら意外と難しかったですね。視聴者の皆さんは「どこに連れて行かれるのかな、このドラマ」と思っていたのではないかと思いますが、第8話からようやく端島と現代がしっかりリンクするようになりました。複雑ですが、その分最終回は謎解き甲斐があり、見応えがあるはずです! ――考察も盛り上がっていますね。 さまざまな考察がされていますが、編集ではなるべくバレないようにしているつもり。監督が怪しげに撮影するので、編集で塩梅を調整しているんです(笑)。そういえば、物語序盤では、いづみと朝子をリンクさせる演出で正体を匂わせていたのですが、皆さん全て見つけられましたか? キラキラしたものと花が好きなのはもちろんですが、第1話の八宝菜にキクラゲが入っているのもポイントでした。第6話ではカステラが好きという設定もリンクしてきたんですよ。