奄美民謡大賞に上原さん 第43回大会 大勢の島唄ファン来場
南海日日新聞社(鹿児島県奄美市)と奄美市教育委員会共催の第43回奄美民謡大賞は15日、同市名瀬の奄美川商ホールで開かれ、瀬戸内町木慈出身で大阪府在住の上原京子さん(71)=高年の部=が「朝顔節」を歌い最高賞に当たる奄美民謡大賞に輝いた。上原さんは「今回は体調不良もあり練習時間が十分に取れなかったが、気負わずに自分らしい唄を歌おうと心掛けた。(受賞でき)うれしい」と喜びを語った。
少年の部は芳村しずくさん=犬田布中1年=、青年の部は岡美里さん=大阪府=、壮年の部は松崎博文さん=奄美市名瀬=がそれぞれ最優秀賞を受賞した。 会場には大勢の島唄ファンが訪れ、味わい深い歌声と三味線の響きに耳を傾けていた。開会に当たり、南海日日新聞社の村山三千夫社長は「先祖から受け継がれた島唄の心を今に生きる私たちがつないでいかなければならない。皆さんのご声援が島唄を支えていく大きな力になる」とあいさつした。
予選は2月3日から3月17日にかけて、奄美群島内3地域と関東・関西、鹿児島の計6地域で実施。予選参加者196人のうち、78人が本選出場者に選ばれ、当日は73人がステージに立った。各部門の当日の出場者は▽少年(14歳以下)18人▽青年(15~39歳)18人▽壮年(40~64歳)19人▽高年(65歳以上)18人。 少年部門に出場した児童生徒たちは、大人顔負けの堂々とした姿で日頃の練習の成果を発揮。青年の部以降の歌い手たちも情感豊かな歌声をホールに響かせ、自慢ののどを競った。
歴代大賞受賞者によるステージもあり、中尾聖子さん、安原ナスエさん、中島清彦さん、牧岡奈美さん、森田美咲さん、里朋樹さんがそれぞれ島唄を披露し会場を盛り上げた。 審査委員を代表して村野巳代治さんが講評し、「特に若い人たちは、歌詞から想像されるいろんな島のことについても調べてみて。一つの歌でもたくさんの歌詞がある。ぜひレパートリーを増やしてほしい」と呼び掛けた。 大賞、最優秀賞以外の入賞者は次の通り。(敬称略) 【少年】▽優秀賞 峰岡朋輝(北中1年)▽奨励賞 朝そら(赤木名中3年) 【青年】▽優秀賞 峰岡歩嬉(徳之島高2年)▽奨励賞 指宿桃子(伊仙町) 【壮年】▽優秀賞 永井しずの(瀬戸内町)▽奨励賞 向珠理(奄美市名瀬)、脇田真由美(東京都) 【高年】▽優秀賞 茂木幸生(奄美市住用)▽奨励賞 上野小津江(鹿児島市)