「スポーツカーの歴史に残る」by 高平高輝 10位はアメ車と言えばこのスポーツカー 自動車評論家44人が選んだ「2024年 身銭買いしたいクルマのランキング!」
このコストパフォーマンスの高さは誰も真似できない!
雑誌『エンジン』の大人気名物企画、「エンジン・ホット100ニューカー・ランキングス」。「いい・悪い」ではなく、「身銭を切ってでも欲しいかどうか」、「そのクルマにどれだけ大きな愛情を注げるか」に加えて、今年はオリンピックイヤーにちなんで「時代のトップランナー」も選考テーマとした。44名のホット100選考委員のジャーナリストと編集部員、そして今年もEPC(エンジン・プレミアム・クラブ)会員が加わって、2024年の今だからこそ買いたいと考える20台にポイントをつけて投票し、新車で買える注目の100台を選んだ。まずは2024年版のホット100に選ばれた上位20台をカウントダウン形式で発表する。10位にランクインしたのはアメリカを代用するこのスポーツカーだ! 【写真17枚】モータージャーナリスト諸氏に「歴史に残る」と言わしめるスポーツカー、コルベットの詳細画像はコチラ ◆第10位! シボレー・コルベット(コンバーチブル、Z06含む) 166pt トップ10に滑り込んだのは、バリエーションを拡大し続けているコルベット。その一方でスタンダード・モデルの熟成も進んでいると、多くのジャーナリストが再評価! コルベットは1954年の初代デビューから70年、8世代を数える、世界有数の長い歴史をもつスポーツカーである。エンジンは初代(C1、以下同様)にのみ直列6気筒が用意された以外は、一貫してV8自然吸気のみで、さらに先代のC7まではFRレイアウトも守っていた。 そんなコルベットはまさにアメリカン・スポーツの代名詞的存在だが、ステアリングを握れば「大排気量のパワーにまかせた直線番長」という一部の先入観とは正反対の味わいである。「キレッキレの走りを有する唯一無二のアメリカンスポーツカー」(佐藤久実)、そして「操作にダイレクトに忠実に応答する点が(中略)洗練され過ぎている点に驚く」(桂 伸一)という、腕利きのプロフェッショナル・ドライバーの方々の評価がなによりの証拠だ。 樹脂ボディによる軽量低重心や優れた重量配分も、C1から連綿と受け継がれてきた美点で、C5~C7では、FRながら変速機をリアに配置するトランスアクスル方式を採用するまで進化した。しかし、「もはやFRでやることはない」との判断か、2020年に上陸した最新のC8では、ついにV8を運転席背後に置くミドシップに生まれ変わった。 FRでの長い歴史をもつコルベットゆえ「ミドシップ化を嘆く向きもあるが、それはそれ」(西川 淳)である。というのも、「FR時代への郷愁もなくはないが、それ以上にミドシップになってからの走りの進化ぶりに惹かれている」(島下泰久)、「ミドシップへの初挑戦をすんなりモノにしている“華麗なる転身”に感心」(河村康彦)、「Z06に乗ってC8をミドシップにした謎が解けた。そのポテンシャルは圧巻」(大谷達也)と、ひとたびステアリングを握れば、その走りは、まさにグウの音も出ないほどだからだ。 コルベットの心臓部は今もなおV8のみなのは前期のとおりだが、いつの間にか「伝統のOHV、GT3直系のフラットプレーンV8、そしてOHV+モーターのHEV四駆と、パワートレインのバリエーションが凄いことに」(渡辺敏史)になっている。しかも、基準となる6.2リッターOHVは「世界遺産」(編集部・荒井寿彦と村山雄哉)、Z06の5.5リッターフラットプレーンDOHCは「感涙。きっとスポーツカーの歴史に残る」(高平高輝)と、どちらも文句なしの名機。そして、つい最近「フロントは電動というAWDに進化した」(菰田潔)プラグイン・ハイブリッドも加わったわけだが、そんな超最先端モデルでも「(OHVの)LS型エンジンを搭載する心意気には、ちょっと感動してしまう」(武田公実)のである。 その技術内容や性能だけで見れば、それこそ4000~5000万円級のスーパーカー・レベルというほかないコルベットだが、超円安下の現在でも「1420万円~」(村山雄哉)という価格は「コストパフォーマンスは非常に高い」(山崎元裕)というほかない。どこまで進化しても、あくまで「敷居が低いスポーツカー」(荒井寿彦)であり続けることが、コルベットの、そしてシボレーというアメリカン・ブランドの真骨頂なのである。 ◆シボレー・コルベット ハイ・パフォーマンス版のZ06に続き、ハイブリッドのE-レイも上陸したコルベット。クーペの2LTは全長×全幅×全高=4630×1940×1225mm。ホイールベース=2725mm。車両重量は1970kg。6.2リッター V8 OHVユニットは最高出力502ps、最大トルク637Nmを発揮し、8段デュアルクラッチ式自動MTを介して後輪を駆動する。車両価格=1420万円 文=佐野弘宗 写真=茂呂幸正 ◆シボレー・コルベットには14人が投票した! 166pt/佐野20pt+桂18pt+島下18pt+渡辺17pt+高平15pt+河村14pt+武田13pt+山崎13pt+菰田11pt+荒井8pt+西川7pt+佐藤5pt+村山5pt+大谷1pt+EPC1pt ◆コルベットに投票した上位5名のジャーナリストの「マイホット20」はENGINEWEでチェック! (ENGINE2024年9・10月号)
ENGINE編集部
【関連記事】
- ポルシェが本気でつくった全天候型スポーツカー 第14位、ポルシェ911ダカール 自動車評論家44人が選んだ「2024年 身銭買いしたいクルマのランキング!」
- 公道ではこれにまさるフェラーリはない by 清水草一 総合16位はこのスポーツカー! 自動車評論家44人が選んだ「2024年 身銭買いしたいクルマのランキング!」
- 多気筒NAエンジン+ミドシップを遵守した最後のモデル by 武田公実 総合17位はこのスポーツカー! 自動車評論家44人が選んだ「2024年 身銭買いしたいクルマのランキング!」
- 地球上に敵なしのジムニーと狂気の爆速オフロード4WDのG63の対決 自動車評論家の清水草一が価格15倍以上のジムニーとGクラスを乗り比べて分かったこととは?
- 悪路性能、頂上決戦! 日本代表トヨタ・ランドクルーザー250 vs 世界選抜ジープ・ラングラー&ランドローバー・ディフェンダー 本格派ゆえ心して乗るべし!!