【特集】28歳の新人警察官 110番の通報件数で県内トップクラスの交番勤務 警察官に24時間密着 《新潟》
◆110番通報「男性が商業ビルで暴れている」
午後1時半…… 一件の110番通報が入りました。 一人の男性が商業ビルで暴れているという警備員からの通報です。 駆けつけると座り込む高齢男性の姿が…… 〈男性〉 「何こんなぞろぞろ来てんだ!おまえらパー(あほ)か?」 〈警察官〉 「パーじゃない。大きな声出さないで」 〈男性〉 「パーらねっかや。6人も7人もきて」 〈警察官〉 「落ち着きましょ」 酒に酔った様子でそのまま抵抗を続けます。 〈男性〉 「お前、自分の名前も名乗らないで名前なんていうんか」 〈警察官〉 「私が言えば教えてくれますか?」 〈男性〉 「教えるわけねえだろうが!」 〈警察官〉 「とりあえず外でましょ」 〈暴漢〉 「関係ねえよ」 これ以上、抵抗し建物に居座り続ければ「不退去罪」に問われる可能性があると説明すると、男性は自ら建物から出て行ったと言います。 〈樋口巡査〉 「話が通じない、多分お酒に酔ってらっしゃる状態だと思うのでなかなか話が通じない中で説得するのは難しいと感じました」 警察学校とは違い何が起きるか分からないリアルな現場…。いざというときに市民を守るにはまだまだ実力不足の自分自身。 〈樋口巡査〉 「学校で学んだことだけじゃ全然足りないなと痛感しました」
◆逮捕術の訓練
新人警察官は交番へ赴任したあとも逮捕術の訓練を行います。 刃物を持った人を警棒を使って取り押さえる動きなど、様々な場面を想定して稽古を積みます。 〈樋口巡査〉 「この逮捕術で学んだことを現場で生かせるように頑張りたい」
◆相次ぐ自転車の窃盗被害
午後8時…… 男子高校生とその父親が交番にやってきました。 〈男子高校生〉 「自転車がない」 〈警察官〉 「ちなみにどこに置いておいたら?」 〈男子高校生〉 「向こう側の駐輪場に置いておいたら」 「鍵もしていたんですけど…」 駐輪場に自転車を停めていたところ自転車がいつのまにかなくなっていたといいます。 駅の南口で相次ぐ自転車の窃盗被害… 今年1月から10月末時点で、駅南地区の自転車の盗難被害件数は135件に上ります。 そのうち約6割はカギのかかっていない無施錠の自転車が狙われました。 〈高校生の父親〉 「ここらへん結構盗まれるんですかね…」 〈樋口巡査〉 「そうですねあれだけ大きい駐輪場だと盗まれる人も多いんですよね」 車体番号を確認し、自転車の届け出がないか確認するも見つからず…… 被害届を提出しました。 駐輪場でのパトロール強化など対策に乗り出していますが…… 〈布施直也交番所長〉 「検挙できればいいんですけど、なかなかそれがそんなに多くないというところで。まずは盗まれない状況を作らないということで、鍵かけを皆さんに徹底していただいて、被害を少なくしようと中心にやっています」
◆「声なき声を聞けるよう」
その後も夜遅くまで交通事故対応や近隣トラブルなど様々な事案に対応しました。 警備員から憧れの警察官に転職した樋口巡査。 市民の平和を守れるようこの場所で警察官としての礎を築きます。 〈樋口巡査〉 「どんな小さなことにも気付けて、声なき声を聞けるような積極的にこちらから対応できるような警察官になっていきたい」 警察官として踏み出した一歩。24時間、365日まちの治安・市民の安全を守るため今日も新人警察官が奮闘しています。