東京メトロが上場へ 人気がある「IPO銘柄」 売買できるようになってすぐ買う意味は 横川楓
■上場のタイミングで株を買うには 上場をすれば株を市場で売買できるようになりますが、上場のタイミングでの購入の流れは、すでに上場をしている株と異なります。 証券会社で証券口座を作るまでは同じですが、IPO銘柄を購入するには「ブックビルディング期間」に申し込みをして、抽選に当選することで購入する権利を得ることができ、購入の意思表示をして購入が確定することとなります。 購入のための抽選に申し込みをすること、そして当選した場合に購入意思表示をすることを忘れずに行うのが大事です。 ■IPOで株式を買うメリット・デメリットは 抽選の申し込みの際に、仮条件として売り出し時の価格帯が提示されています。 IPO銘柄は、上場して市場に出てから最初の価格である初値が、公募価格(売り出し価格)よりも高くなることが多いとされています。つまり、上場日にすぐに売却をすることで、短期で利益が出る可能性があるわけです。 冒頭の記事では、東京メトロの株式の売り出し価格は1株1100円と想定されているようです。初値がどうなるのか、今から楽しみですね。 一方でIPO銘柄は大変人気があり、有名企業であればあるほど抽選に申し込んでも当選することが難しくなります。今回の東京メトロの倍率も、すごいことになりそうです。 もちろん、必ず初値が公募価格を上回るわけではなく、公募価格よりも初値が低くなる可能性もあります。初値がどうなるかという見極めも必要です。 東京メトロのような有名企業だけでなく、様々な企業が日々、上場をしています。自分が上場のタイミングから応援したい企業を見つけて、IPO株を購入してみるというのも、株式投資の選択肢の一つとして検討してみましょう。 (横川楓) 横川楓(よこかわ・かえで) 1990年生まれ。経営学修士(MBA)、ファイナンシャルプランナー(AFP)などを取得し、「やさしいお金の専門家/金融・経済アナリスト」として活動。一般社団法人日本金融教育推進協会代表理事。「誰よりも等身大の目線でわかりやすく」をモットーにお金の知識を啓発、金融教育の普及に取り組んでいる。著書に『ミレニアル世代のお金のリアル』(フォレスト出版)、『お金の不安と真剣に向き合ったら人生のモヤモヤがはれました!』(オーバーラップ)。
横川楓