久々の優勝もマクラーレンはまだまだ慎重。ステラ代表「レッドブルと互角に戦うためには、もう1回アップデートが必要」
先日行なわれたF1マイアミGPでは、マクラーレンのランド・ノリスが初優勝を手にした。このグランプリでマクラーレンは大規模なアップデートパッケージを投入し、それが功を奏した格好だが、同チームの代表であるアンドレア・ステラは、レッドブルとはまだ対等に戦うことができていないと語った。 【ギャラリー】F1史上最も醜い、2014年のF1マシン全車 マイアミGPの予選でポールポジションを獲得したのは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンだった。フェルスタッペンはレースの序盤をリードしたが、コースオフした際にフロアにダメージを負ったこともあり、いつものように後続を引き離すことができなかった。 そして各車がピットストップを終えようかというところでセーフティカーが出動。この時まだピットストップを終えていなかったマクラーレンのノリスは、ポジションを落とすことなくタイヤ交換を済ませることに成功。レース再開後のノリスは好ペースで飛ばし、フェルスタッペン以下を引き離していった。そして最終的には2位フェルスタッペンに7秒の差をつけてトップチェッカー。F1初優勝を手にした。 セーフティカー後のレースを完全制圧した格好のノリスだが、マクラーレンのステラ代表は、マイアミGPでの結果は、今後のレースでの勢力図を表したモノではないはずだと気を引き締めた。 「我々はマシンをアップデートした。マシンと手にしている材料がどれだけ改善されたかは、数値で分かる。ラップタイムを見ても、それが分かるはずだ」 そうステラ代表は語った。 「しかしレッドブルとしては、今回のレースで少し苦戦した。我々が見たペースは、未来のことを表現しているのだろうか? 私はその見方に同意することはないだろう」 「日本GPの予選では、レッドブルに0.6秒の差をつけられた。中国でも、コンマ数秒の差があった。それを考えれば、今回(マイアミで)見たモノが、勢力図の最新の姿であると見るのは、全く非現実的なことだろう」 「レッドブルは今回、パッケージを最大限に活用できなかったと思う」 ステラ代表は、チームの取り組みが報われていると考えているが、レッドブルと互角に戦えるようになるためには、シーズン後半に予定されているアップデートが投入されるまで待たねばならないと指摘した。 「我々は今回のことをポジティブに受け止めている。大いに励ましになるね」 そうステラ代表はいう。 「おそらく我々が行なっているよりも早く開発を進めるには、さらに多くのエネルギーを必要とする」 「しかし私の考えでは、レッドブルと互角に戦いたいのであれば、今回持ち込んだのと同じような、別のパッケージを用意する必要があるだろう」
Filip Cleeren
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