司法長官指名のゲーツ氏、造反や性的人身売買の疑いなどの「トラブルメーカー」…起用を危ぶむ声も
【ワシントン=淵上隆悠】米共和党のトランプ次期大統領が司法長官に指名したマット・ゲーツ氏(42)、情報機関を統括する国家情報長官に指名されたトゥルシー・ギャバード元下院議員(43)は様々な問題が指摘されてきた人物で、起用を危ぶむ声が出ている。 【一覧表】トランプ次期大統領が発表した主な新政権人事
フロリダ州出身のゲーツ氏は、2016年の下院選で初当選した。トランプ氏に心酔する保守強硬派で、23年1月の下院議長選でウクライナ支援に前向きだったケビン・マッカーシー氏を選出する党の方針に反発した。造反を繰り返し、決定まで15回の投票を行う要因を作った。
10月には、マッカーシー氏が民主党と協力して暫定予算を成立させたことを受け、解任動議を提出した。民主党も賛成に回り史上初の議長解任となったが、共和党は後任選びで混乱し、党内対立が露呈した。
ゲーツ氏は、性的人身売買容疑で司法省の捜査対象になったことがある。共和党のリサ・マコウスキー上院議員は13日、米メディアに「真剣な起用だとは思えない」と述べ、資質に疑問を投げかけた。
一方、ギャバード氏はハワイ州選出の民主党元下院議員で、20年大統領選の党指名候補争いに出馬したことがある。21年に下院議員を退任した後、トランプ氏支持を打ち出した。米メディアによると、州兵としてイラクに派遣された経験があるが、情報機関の知見は乏しい。
ギャバード氏はロシアによるウクライナ侵略について、SNSで「米国と北大西洋条約機構(NATO)がロシアの正当な安全保障上の懸念を認めていれば、この戦争は回避できた」と投稿したことがある。上院情報委員会のマーク・ワーナー委員長(民主党)は米紙ワシントン・ポストに対し、「親露的かどうか厳しく調べる必要がある」と語った。