「どっちなんだよ」のままで終わらせてはいけない作品。沖縄在住の劇作家・兼島拓也と新たに出演する・中山祐一朗が語る2024年版『ライカムで待っとく』
沖縄では「慰霊の日」に上演
――今回はKAATでの公演の後、京都公演、福岡公演、さらに沖縄公演も開催されます(6月22日、23日の沖縄「慰霊の日」に上演)。初演に続き、2024年の観客の心をどう揺るがすのか、注視しつつ自らもしっかり体感したいと思います。 兼島 初演を多くの方に評価していただいたことで、はたしてどんな作品なのかと期待値を上げて観に来られる方もいるだろうと思います。そういった方に対してもやっぱり楽しいもの、面白い作品として提示したいですし、繰り返しになりますが、初演からのこの期間の変化や新たな実感といったものを汲み入れて、新しく提示出来たらいいなと。中山さんを始めとした現場の皆さんの力を引き出せるような脚本にしていきたいと思っています。 中山 お話を伺って、こんなに賞を獲ったりノミネートされた作品だと知らなくて今びっくりしているんですけど、さらに書き直してくれるなんて……!(一同笑)いい作品であることはもう間違いないので、再演をするからには、なるべく多くの人に観に来ていただきたいなという思いが一番にありますね。そのうえで、稽古場でより面白いものに組み立て上げられたらいいなと。稽古場で積み重ねていく楽しみが演劇にはあるので、少しずつ初演とは違った感覚が生まれてくると思います。だから初演を観ている人にも、新鮮な面白さを感じてもらえるんじゃないかな。僕も稽古に入るのが楽しみです。 取材・文:上野紀子 撮影:石阪大輔 <公演情報> KAAT神奈川芸術劇場プロデュース 『ライカムで待っとく』 作:兼島拓也 演出:田中麻衣子 出演: 中山祐一朗 前田一世 佐久本宝 蔵下穂波 小川ゲン 神田青 魏涼子 あめくみちこ 【神奈川公演】 2024年5月24日(金)~6月2日(日) 会場:KAAT神奈川芸術劇場<中スタジオ> 【京都公演】 2024年6月7日(金)・8日(土) 会場:ロームシアター京都 サウスホール 【福岡公演】 2024年6月15日(土) 会場:久留米シティプラザ 久留米座 【沖縄公演】 2024年6月22日(土)・23日(日) 会場:那覇文化芸術劇場なはーと 小劇場