お茶を自分で片付ける? 戸田奈津子がみたキャメロン・ディアスの飾らなすぎる人柄とは
長場雄が描く戸田奈津子が愛した映画人 vol.45 キャメロン・ディアス
字幕翻訳の第一人者・戸田奈津子さんは、学生時代から熱心に劇場通いをしてきた生粋の映画好き。彼女が愛してきたスターや監督の見るべき1本を、長場雄さんの作品付きで紹介する。
お茶を自分で片付けるハリウッドスター
ハリウッド映画の主役を張るスター俳優の素顔は、ざっくばらんで飾り気のないことが多いのですが、中でもキャメロンは突出。まったく気取りのない、さっぱりとした人です。 プロモーションで来日したときに通訳を担当しましたが、インタビューが終わると、テーブルの上のお茶のカップを全員分ささーっと自分で片付けて、次のインタビューの支度をしてしまうほど。普通はスタッフに任せるのに、そんなスター、後にも先にもありません。 『ナイト&デイ』(2010)でトム・クルーズと来日したときも、先輩のトムを立てながら、バラエティ番組では当意即妙の対応をして。その場を楽しませる頭の良さを発揮していました。 キャメロンの魅力を一番堪能できるのは『チャーリーズ・エンジェル』(2000)かな。『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002)や『私の中のあなた』(2009)みたいな役にも挑戦しているけど、活発でおおらかで、コメディセンスもある現代的なキャラクターが、やっぱり一番彼女らしいと思います。
『チャーリーズ・エンジェル』(2000) Charlie’s Angels 上映時間:1時間38分/アメリカ ナタリー(キャメロン・ディアス)、ディラン(ドリュー・バリモア)、アレックス(ルーシー・リュー)の3人は、姿を見せないボス、チャーリーの探偵事務所で働く有能な「エンジェル」と呼ばれるエージェント。 彼女たちに下された指令は、誘拐されたノックス・テクノロジー社の創立者の救出。エンジェルたちは、ノックスのライバルで巨大企業のオーナー(ティム・カリー)が犯人とみて、危険な潜入捜査を開始する。1970年代に人気を博したTVドラマの映画版。 キャメロン・ディアス 1972年8月30日生まれ、アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴ出身。モデルとしてキャリアをスタートさせ、『マスク』(1994)で映画デビュー。 『メリーに首ったけ』(1998)の大ヒットによりスター女優に。『チャーリーズ・エンジェル』(2000、2003)シリーズ、『バニラ・スカイ』(2001)『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002)『ホリデイ』(2006)『私の中のあなた』(2009)『ナイト&デイ』(2010)などに出演。 『ANNIE/アニー』(2014)以降、結婚・出産にともない活動を休止していたものの、Netflix映画『バック・イン・アクション』(2024/2024年11月15日から配信予定)で10年ぶりに俳優として復帰。 語り/戸田奈津子 アートワーク/長場雄 文/松山梢
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