テスラ、24年EV販売台数1%減…13年ぶり前年割れ
【ニューヨーク=小林泰裕】米電気自動車(EV)大手テスラは2日、2024年のEV販売台数が前年比1%減の178万9226台だったと発表した。米メディアによれば、年間販売台数が前年割れとなるのは11年以来13年ぶり。EV販売世界首位の座は維持する見通しだが、EV需要の減速や中国勢との競争激化により、世界的に販売が伸び悩んだ。
主力市場である米国や欧州、中国で販売が減速し、市場予想の180万台を下回った。米国ではハイブリッド車(HV)の人気に押され、欧州ではEV向け補助金の停止などの影響を受けた。中国では安価な地元メーカーの攻勢にさらされた。25年は低価格EVの投入や自動運転技術の改良により、20~30%の販売増加を見込むとしている。
24年10~12月期の販売台数は前年同期比2%増の49万5570台だった。充電設備の無料開放などのキャンペーンを行ったことで台数は四半期として過去最高となったが、市場予想の51万台は下回った。
一方、欧米メディアによれば、競合する中国BYDが発表した24年のEV販売台数は12%増の176万4992台で、テスラに肉薄した。BYDの24年10~12月期の販売台数は59万5413台で、テスラを上回った。現在の勢いが続けば、25年には年間販売台数でBYDが首位に立つ可能性がある。
米国のトランプ次期大統領はEV向けの税制優遇を見直す方針で、テスラの業績にさらに逆風となる可能性がある。一方、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)はトランプ政権で新設される「政府効率化省」のトップに指名されており、自動運転やAI(人工知能)などの分野で規制緩和の恩恵を受けられるとの見方もある。