テリー伊藤“元気がないテレビ”風潮に異論「テレビはまだまだトップ」
40年以上もの間、テレビ業界を走り抜けてきた男・テリー伊藤。特に演出家として「テレビ界に革命を起こす」との意気込みで生み出したバラエティ番組「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」(1985~1996)は、様々な影響をテレビ業界に与えた。しかし、近年のテレビ業界からは、 “テレビ離れ”、“視聴率低下”、“ピンチ”といった不景気な言葉ばかりが聞こえてくる。伝説的テレビ番組を生み出し、革命を起こし続けたテリーは、そんな現在の“元気がないテレビ!!”をどう見ているのだろうか? 高田純次、ウケなくても使い続けてくれた…だから今の自分がある
テレビはまだまだトップを走っている
業界内にこだまするマイナスイメージに対し、追従する言葉が返ってくるのかと思われたが、返って来たのはそれとはまったく逆の発想だった。 「“テレビに元気がない”というのは、実は自分にはよくわからない話。娯楽に対する選択肢が増えている中で、何だかんだ言われても、結局テレビはまだまだトップを走っている。その方が凄いと評価するべき」と、ネガティブな論調を一蹴する。
選択肢の増加「昔が異常だった」
娯楽の細分化にも前向きで「僕がテレビを作っていた時代、チャンネル数は7つくらいしかなかった。でも今はCSもあればBSもあるでしょ。そこにインターネットも普及してきた。すると選択肢は100も200も増えてくる。そりゃ視聴率30%なんか取れませんよ。でもそれはテレビに元気がないのではなく、単純に分散しているだけ。そう考えると、昔の方が異常で今の方が健全だよね」と、選択肢の増加によって生まれる価値観の多様化を歓迎する。 それはCDの売り上げ不振にあえぐ音楽業界にも通ずる話で「ミリオンセラーが出ない、なんて嘆いているけれど、デジタル配信で色々な選択肢が増えているわけだからね。例えばアメリカなんかは、クリスマスソングだけを流すようなラジオ局が50局くらいある。でも日本はどう?山下達郎さんの“クリスマス・イヴ”かワム!の“ラスト・クリスマス”を20年くらい繰り返しているわけ。こっちの方がおかしいよ」