「監督は絶対的な存在であるべき」「学生の前で夫婦ゲンカはしない」青学大を箱根駅伝の常勝軍団にした原晋監督と妻の“夫婦のルール”
学生から「奥さん」と呼ばれるようになった理由
ですから、どれだけできているか不安なところもありますが、できるだけ学生の自主性を尊重してきました。自主性を促すため、あえて受け身になることもありました。 わたしは学生に「奥さん」と呼ばれていますが、これは誰かが最初に「奥さん」と呼ぶようになって、それが定着したものです。もし誰かが「美穂さん」と呼んでいたら、「美穂さん」と呼ばれていたかもしれません。あとになってから友だちに、学生に奥さんと呼ばれるなんて変だと言われたことがあり、それもそうかなと思いましたが、「原さん」では監督も原さんだから何と呼ぼうかと悩んだ末に学生がたどり着いた「奥さん」を、わたしは大事にしたいのです。 ふり返ると、寮でのたいていのルールは、このように学生主導で整ってきました。学生たちが自分事として考えたルールは、しっかり定着しますし、その自主性が学生の成長を促しているのだと思います。《第2回に続く》
(「Number Ex」原美穂 = 文)
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