金地金160キロ密輸容疑で5人逮捕 約15億円相当 大阪
約15億円相当の金地金計約160キロを関西国際空港経由で密輸して消費税の納付を免れようとしたとして、大阪府警などは9日、リーダー格で韓国籍のスクラップ回収業、趙祥衍(ジョ・サンヨン)容疑者(55)=さいたま市見沼区=ら男性5人を関税法違反(無許可輸入、同未遂)や消費税法違反などの疑いで逮捕したと発表した。 【写真】金の地金は荷台のすき間に隠されていた 大阪税関関西空港税関支署によると、全国の空港・港で押収した金地金の量としては、2017年の中部国際空港の233キロに次いで2番目に多い。 5人の容疑は24年1月11日、香港からの航空貨物に金地金160枚(約160キロ)を隠し、消費税(地方消費税含む)1億4841万円の納付を免れようとしたなどとしている。23年から24年に、ほぼ同量を密輸して消費税の支払いを免れた疑いもある。趙容疑者は「答えたくない」と話しているという。 財務省によると、金は価格が高騰。消費税の納付を免れた上で売りさばけば税額分が利益になるため、密輸が急増している。 関空税関によると、容疑者らは化粧品を載せた荷台のすき間にケース入りの金地金を隠していた。職員がエックス線検査で不審な影を発見。荷台を調べると大量の地金が見つかった。 府警国際捜査課によると、5人は香港にいる仲間との連絡や関空から大阪市内の倉庫までの運搬、買い取り業者への売却、報酬の送金など役割を分担していたとみられる。 全国の税関が24年上半期(1~6月)に押収した量は前年同期比8・1倍の937キロだった。このうち香港からの貨物の押収量が812キロと最も多く、全体の約9割を占めた。【中村宰和】