国会議員の数、日本は世界と比べて多い?それとも少ない?(原口和徳)
議員定数を減らすだけで、議会は効率的なものになるの?
表2の結果からは、日本は議員定数の削減に積極的に取り組んでいる国の1つであると評価することもできそうです。 ただ、上記の比較では抜けてしまっている視点もあります。 例えば、議員報酬について考えてみましょう。そもそも、議会の規模が大きくても、議員に支給される報酬が少なく、トータルではほかの国よりも安価な議会となっているならば、議員を減らさなくてもよいと考える人もいるのではないでしょうか。 また、議会の役割ではどうでしょうか。例えば、上院と下院で審議する内容が分かれている国からすると、上院(日本では参議院)と下院(日本では衆議院)が同じ政策について、同じようなプロセスで審議している国は、議会の規模に関わらず重複(無駄)が発生しているように見えるかもしれません。 このように、「もっと無駄がなくて機能する議会であってほしい」と思った時に取りうる手段は「議員数の削減」だけではない可能性もあります。 いくつかの国、地域を取り上げただけでも議員定数に関するスタンスの違いが見えてきます。このようなほかの国の取り組みは、自分のなかで評価の基準を作っていくときに役立ちます。例えば、旅行や仕事でいつか行ってみたい国や地域がある人は、それらの国の取組と比較してみると、日本にはどんな特徴が見えてくるでしょうか。 評価基準は、ご自身の経験とともに日々変わりえるものです。日々のアップデートを楽しみながら、時々、より良い(よりましな)政治の仕組みについて、考えてみませんか。