木村拓哉主演の映画『グランメゾン・パリ』。プロデューサーが語る見どころ&海外撮影秘話
“ミシュラン三つ星”を目指す料理人の奮闘を描いた木村拓哉主演のドラマ『グランメゾン東京』が、満を持して映画化。2019年に放送されたドラマの続編となる本作は、木村演じる尾花がパリで新店舗『グランメゾン・パリ』を立ち上げ、仲間とともに“最後の戦い”に挑んでいく。本作の見どころやキャストの魅力を伊與田英徳プロデューサーに伺いました。見習いとして働く青年を演じるAぇ! groupの正門良規くんの撮影秘話も必見!
チーム・グランメゾンがパリで“三つ星獲得”に挑む
ーー映画『グランメゾン・パリ』は大ヒットドラマの続編。制作のきっかけや映画化する上で大事にしたこととはどんな部分でしょうか? 2019年放送のドラマ『グランメゾン東京』では、“カリスマシェフ”と称された尾花が料理界を追放され、東京で仲間と店を立ち上げ、“三つ星”を獲得するまでを描きました。ドラマが終わり、「日本の次はパリで“三つ星”に挑む尾花が見たい!」という思いが当然のように湧いてきて。コロナ禍のため時間は空きましたが、満を持して続編を映画で制作することになりました。 国の壁を超えて、日本人がフランス・パリで三つ星を取るのは簡単ではありません。けれども取材を通して、パリだからこそ異国の人や文化を受け入れる土壌があり、フレンチが自由な発想から生まれたということがわかって。パリで“三つ星”獲得に挑む大変さやおもしろさ、そしてフレンチの持つ豊かさが描けたらと思い、脚本の黒岩 勉さんと相談しながら作り上げていきました。 そして、この作品で何よりも感じてほしいのは、仲間とともに一つのことに向かう情熱。料理人が料理にかける熱がしっかりと伝わるように描いています。連ドラ、今冬放送のスペシャルドラマ、そしてこの映画があり、それぞれ単独でも楽しめますが、しっかりと物語がつながっているので、ぜひ合わせて見ていただけるとうれしいです。 ーー主人公・尾花を演じる木村拓哉さんの役者としての魅力とは? また、パリでの撮影で印象的だったことはありますか? 尾花を演じる木村さんは正面から役を受け止める方で、しっかりとその役に向かって演じるところがすごいなと、ご一緒するたびに思っています。今作はパリが舞台ですが、ドラマからの延長線上で役を組み立てられていて。料理に人生をかける尾花が、日本での“三つ星”を取り、それから5~6年経ってどう感じているのかを地に足をつけた形で演じられているんですよね。アイデアもたくさんお持ちなので、塚原あゆ子監督と現場で協議しながら一つひとつのシーンを作り上げていました。 今作では海外のキャストの方々も出演していますが、木村さんは海外の方でも、日本人キャストとの撮影とスタンスが全く変わらないんです。撮影中、文化の違いから意見がまとまらない場面もあったのですが、木村さんが「こういう芝居はどう?」と動きで提案してくださって。そのアイデアを見た相手が「それだったらいけるよ」と応じて、みんなが同じ方向を見た瞬間があったんですよね。 お芝居を通して、海外のキャストの方々とコミュニケーションを取られていたのが印象的でしたね。 ーードラマに引き続き、鈴木京香さんや沢村一樹さん、及川光博さんなど、チーム・グランメゾンのメンバーが集結し、さらに新メンバーとしてオク・テギョンさん、正門良規くんも出演。それぞれの魅力やキャスティング理由を教えてください。 尾花とともに新店舗『グランメゾン・パリ』を立ち上げる早見役の鈴木さんは、ご自身も美食家であり、料理人に対してのリスペクトがある方。料理に対する奥行きの深さがお芝居に自然と出ているのがすごくいいなと感じましたね。尾花の才能を誰よりも理解するホール責任者・京野役の沢村さんは、とても研究熱心。あれだけのキャリアがありながら、貪欲に学ぼうとする姿勢に驚かされました。料理人になりたての頃から尾花とともに働くベテランシェフ・相沢役の及川さんは、パリにすごくなじんでいて、 それがおもしろかったですね。 きっとアーティストならではのパリのとらえ方があるんだろうなぁと感じました。 また、映画で新たな仲間として加わる2PMのテギョンさんとAぇ! groupの正門くんも魅力的。パティシエのユアン役を演じるテギョンさんは、彼のライヴも見させていただき、感情がストレートに伝わってくる方だなと感じて。その真っすぐさがユアンとマッチしていると思い、オファーさせていただきました。見習いの小暮を演じる正門くんは、真面目な青年の雰囲気が合っているなと。一つひとつ頑張っているけれど、ちょっと逆らったりもする現代風の青年を自然に演じてくれましたね。