「ウィシュマさんの死を忘れない」改正入管法の施行迫る中 若い世代が映画上映会で訴える
ウィシュマさんの死に義憤を感じる若者たち
映画そのものを観たかったということもありますが、今回の上映会の主催者が若い世代だというので、「社会運動をしている若者って、どんな人だろう」と思い、この人たちに会う目的で行ってきました。スタッフとして参加していた福岡市の会社員みなみさんは34歳です。 みなみさん:ウィシュマさんが亡くなられた時は、恥ずかしながら私も報道の中で知るぐらいだったんですけれども、改悪入管法のことが話題になる中で、自分もどんどん問題の内容を知って。 みなみさん:国民として反対の声を上げたくて、昨年の5月に福岡パルコ前でのスタンディングデモに、私も人生で初めて参加させてもらったんですけれども、悔しいことに昨年6月の国会で強行採決されてしまって、それに対して本当に反対の声をあげたいなという思いで、今回の上映会をやりたいです、と。 みなみさん:亡くなっていい命なんて本当にないですし、目の前に人がいるのに、入管の職員として人間がいるのに、(涙ぐみながら)なんで「食べられない」「体が苦しい」と訴えている方が命を落とさなければならないのかということに、強い疑問を持って。 みなみさんは話すうちに、涙ぐんでいました。ウィシュマさんの死に大きなショックを受けたことが、「普通の会社員」のみなみさんがこういう運動をしようと思ったきっかけでした。
映画『ワタシタチハニンゲンダ!』の叫び
ドキュメンタリー映画『ワタシタチハニンゲンダ!』は2022年の作品で、114分あります。監督を務めたのはノンフィクション作家の高賛侑(コウ・チャニュウ)さんは、在日コリアン2世です。 (映画『ワタシタチハニンゲンダ』公式パンフレットより) 2021年3月、スリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん(33)が名古屋入管で死亡した。彼女の死は長年ベールに包まれてきた入管の闇を明らかにするとともに、公権力による外国人差別の歴史を象徴する事件と言って過言ではない。 戦後、日本政府は、在日外国人の9割を占めていた韓国・朝鮮人の管理を主目的とする外国人登録法などを制定した。そして後年、他国からの在留者が増えると、全ての外国人に対する法的・制度的な出入国管理政策を強化してきた。 本作品では、全ての在日外国人に対する差別政策の全貌を浮き彫りにする。 人権侵害に苦しむ外国人が異口同音に訴える。 「私たちは動物ではない。人間だ!」 「国際ニューヨーク映画祭」でベストドキュメンタリー賞、国内でも「むのたけじ地域・民衆ジャーナリズム賞」大賞を受賞しています。