三笠宮妃百合子さまご逝去 郡山開成学園(福島県郡山市) 関口理事長「心に穴が空いたよう」 公式で3度来県
福島県の公式記録によると、三笠宮妃百合子さまはこれまで3度、来県されている。百合子さまの死去を受け、ゆかりのある県民は来県された際の思い出を振り返った。 百合子さまは1986(昭和61)年、三笠宮さまと共に、第21回全国私立短大体育大会に出席するため郡山市を訪問され、競技を観戦した。郡山女子大で新築の郡山開成学園建学記念講堂を視察し、大会開催と学園創立40周年を記念して月桂(げっけい)樹の苗木を植えた。 当日は猛暑だったという。共に植樹した学園の関口修理事長は「汗一つかかず悠然と振る舞う姿は忘れられない」と回顧する。数年後に日本私立短大協会の関連行事で再会した際、百合子さまから「関口さん、あの時は暑かったよね」と言葉をかけられたという。訃報に接し、「心に穴が空いたように寂しい。安らかにお休みいただきたい」としのんだ。 全国私立短大体育大会の翌日は市内逢瀬町の県総合緑化センターでサボテン園などを視察され、展望台入り口にソメイヨシノを植樹した。
1996(平成8)年には県赤十字センター25周年・県赤十字大会に出席するため福島市に足を運ばれた。日赤名誉副総裁として「世界には救いを求めている人がいます。赤十字のへの貴い思いを胸に、新たな活動に励むことを希望します」とお言葉を述べた。献血の様子などを視察した。 当時、県議会議長としてJR福島駅で百合子さまを出迎えた郡山市の山口勇さん(86)は「所作から皇族の品の良さを感じた。長生きされて国民のために尽くされたことに感謝したい」と語った。 この他、1963年7月17、18の両日は相馬野馬追をご覧になっている。 ■悲しみでいっぱい 内堀知事が謹話 三笠宮妃百合子さまの逝去を受け、内堀雅雄知事は「妃殿下には、公務のため合わせて3回福島県にお出ましいただき、その都度親しく県民にお声掛けをいただき、県民一同、敬愛の念を抱いておりました。お姿を拝見できなくなりましたことに私どもは深い悲しみでいっぱいでございます」とする謹話を発表した。
■衷心より哀悼の意 西山県議会議長 西山尚利県議会議長は「長年にわたり、国際親善やスポーツ、文化、福祉など幅広い分野で多大なご貢献をいただき、国民から敬愛の念を抱かれていた妃殿下がご薨去(こうきょ)されましたことは、誠に残念でなりません。県民とともに、衷心より哀悼の意を表します」との謹話を出した。