「食べたくない...」箸が持てなくなった高齢者に作る食事のポイント
シニアになるとお箸が使えなくなったり、料理のメニューにも気を遣う必要が出てくるものです。高齢の家族に食事を楽しんでもらうには、調理の際にどんなことに気を付ければいいのでしょうか? 大迫知信さんが自身の体験、そして介護のプロからのアドバイスを紹介します。 ※本稿は、『PHPくらしラク~る♪』2024年2月号より、一部を抜粋編集したものです。 ------------------------- おばあ:松原文子(89歳) 1934年生まれ。大工の棟梁の夫と若い衆、子や孫に料理を作り続けてきた。近年パーキンソン病を発症し、孫の手助けが必要に。料理や介護に奮闘する孫に感謝しつつも、感想は率直で手厳しい。 孫:大迫知信(39歳) 脱サラ後、おばあが作るちょっと変わった料理に支えられ、念願だった物書きに転身。著書『おばあめし』(清流出版)を出版。おばあが台所に立てなくなってからは、自らが作る"まごめし"を出している。 ・ブログ「おばあめし」 https://obaameshi.com/ ・Instagram https://www.instagram.com/obaameshi/ -------------------------
大根の炊いたん、箸が持てないおばあにも食べやすく
【介護のプロに聞いてみた】 ――おばあに料理をおいしく食べてもらうにはどうすればいいでしょうか? 「大根の炊いたんと言えばこうや」という感覚が、強く残ってはるんですよ。文子さんは特に、長年料理を作ってこられましたから、ご自身がいいと思う大根の切り方や炊き方があるんですね。それと同じ形で出すことは、食事をしっかり召し上がっていただくために大事なことやと思います。
小さく切るには「食べやすい大きさにしよか」とスプーンで切るのを手助けしてみてください。スプーンに載らないときはフォークに替えて「逃げた大根、突き刺そか」と一緒にやってみるのもいいと思います。一方的にならないような声掛けを意識してくださいね。