テレグラムCEOドゥロフは、国境を突き破るIT巨人
<これはフランスの「言論抑圧」?>
ドゥロフが逮捕されたとき、「これはロシア当局がテレグラムをつぶすため、フランスと裏で手を握って仕掛けたのかもしれない」と筆者は思った。だが調べてみると、そうではないようだ。これはロシアの「言論の自由」弾圧事件ではない。ロシア当局は、「フランスの言論の自由抑圧事件だ」とちゃかしているが。 言ってみれば、犯罪に利用されていることについて、テレグラムが真剣な対応措置を取らず、フランス当局にも犯罪者の個人情報を渡そうとしなかったこと、つまり国家の規制を突き破っていることに問題がある。フェイスブックならこのあたり、当局にもっと柔軟に対応するだろう。今や世界人のドゥロフ。 39歳独身だが、精子提供で世界に100人以上の子がいるらしい。ネットだけでなく、リアルな世界でもネットワークを広げたいようだ。
河東哲夫(外交アナリスト)