「地域の宝が…」 樹齢500年超の巨木無残、国内最大級のミズナラ倒れる 村民ショック「心のよりどころだったのに…」
国天然記念物、長野県阿智村の「小黒川のミズナラ」
樹齢500年以上、国内最大級とされる長野県下伊那郡阿智村の国天然記念物「小黒川のミズナラ」(通称おおまき)が16日、木の根元近くから折れて倒れているのが見つかった。2012年に大枝が折れた後、村や清内路地区の住民らが保護活動を続けていた。地域のシンボルとして親しまれてきただけに、住民の間に残念がる声が広がっている。 【写真】葉が生い茂っていた頃の国天然記念物「小黒川のミズナラ」(2007年10月撮影)
幹回り9メートル超
16日午前、村教育委員会に連絡があった。駆け付けた村教委担当者が現場で、根元から折れているミズナラ(高さ約33メートル、幹回り約9・4メートル)と、内部のうろを確認した。
2012年に大枝折れる
ミズナラは1996年に国天然記念物に指定。台風通過後に大枝2本が折れた12年以降、支柱を立てたり土壌改良したりするなど養生を重ねていた。 住民は「おおまき」と呼び、遠足へ出かけたり、枝でコカリナを作って演奏したりして親しんできた。保護活動に取り組んできた「おおまきの会」代表の桜井菊広さん(73)は「地域で長年大切にしてきた宝のような木だった」と肩を落とした。
原因調査し対応検討へ
地元の桜井佑介さん(47)は、旧清内路村が財政再建や合併問題を抱えていた時代を振り返り「心のよりどころとして一緒に乗り切ってきた」と残念がった。村教委は今後、原因を調べながら住民を交えて対応を検討する。