拉致被害者救出願うブルーリボンの輪、高校生に広がる 自主的に着用する仲間増え「小さな一歩でも意思表示を」
新発田高校(新潟県新発田市)の生徒の間で拉致被害者救出の象徴であるブルーリボンのバッジを自主的に着用する動きが広がっている。「解決への意思を示そう」。約20人が制服に着けて登下校し、他の生徒に拉致問題の話を伝え、仲間を増やそうとしている。12月17日には拉致の疑いが排除できない特定失踪者の家族を招き、同校で勉強会も開いた。 ブルーリボンバッジを制服に着ける生徒たち きっかけをつくったのは3年の土田悠晴さん(18)。報道で拉致問題が長年進展していないことを知り、自分の大切な家族と重ね合わせて心を痛めた。自分にできることはないかと考え、被害者の支援団体から寄付の返礼として受け取ったバッジを9月ごろから着け始めた。 土田さんの呼びかけに、3年生の約20人が共感。輪は広がり、他の生徒からも「バッジ着けたよ」という声が届くようになった。 バッジを見た校長が特定失踪者の家族から話を聞くことを提案。今月17日に新潟市西蒲区出身の大沢孝司さん=失踪当時(27)=の兄昭一さん(88)と長岡市の中村三奈子さん=同(18)=の母クニさん(81)が来校し、約30人の生徒が特定失踪の問題について学んだ。バッジ着用に大沢さんらも感激し、「ぜひ世論を高めてほしい」とエールを送った。 土田さんは「黙っていては動かない。小さな一歩でも行動を起こすことが大切だと思う」と話し、友人の榎本龍彦さん(18)も「バッジはただの形式かもしれないが、みんなで着ければ意思表示になる。解決へ新しい道になれば」と願った。