有給は何日「連続で」とれるのでしょうか?連続してとるのは常識に反していますか?
労働者の権利でもある有給休暇は、雇用日からの継続勤務期間や出勤日数が、一定を超えた場合に付与されます。継続勤務期間が6ヶ月を経過すると10日間、1年6ヶ月を経過すると11日間というように、長期的に働くほど、付与日数は増えますが、連続何日まで取得できるのかは、気になるところではないでしょうか。 本記事では、有給休暇の制度概要をはじめ、連続の取得はできるのかとか、会社側からなんらかの措置をとられるリスクは高いのかなどについて解説します。 ▼有給休暇の取得に会社の許可は絶対に必要?「繁忙期」でも取得できるの?
有給休暇は取得しても賃金が減額されない制度
有給休暇とは、労働者の心身の疲労回復や、ゆとりある生活の保障を目的に付与する休暇です。有給休暇を取得したとしても、賃金の減額はありません。ただし、すべての労働者に対して有給休暇が付与されるわけではなく「継続勤務期間が雇用日から6ヶ月以上」「出勤日数が全労働日の8割以上」という2つの条件を満たしていることが前提になります。 有給休暇の付与日数は、常勤従業員が6ヶ月間継続して勤務すると10日間、その後1年が経過するごとに、以下のように増えていきます。 ●6ヶ月:10日 ●1年6ヶ月:11日 ●2年6ヶ月:12日 ●3年6ヶ月:14日 ●4年6ヶ月:16日 ●5年6ヶ月:18日 ●6年6ヶ月:20日
有給休暇は労働者の権利
有給休暇は労働者の権利につき、付与日数の範囲内であれば、本人の意思で自由に取得できます。労働基準法第39条第5項にて「使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない」と定めているからです。 有給休暇の取得に理由は不要ですし、会社に伝える必要もありません。連続取得しても常識に反することはなく、必要に応じての取得は当然といえるのです。 ■労働者が不利益を被れば労働基準法違反 有給休暇を連続して取得することに対して、会社が労働者に不利益を与えるような行為は、労働基準法違反に該当します。 労働基準法附則抄第136条にて「――有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない」と規定しているため「人事評価を不当に下げられた」「有給の取得方法が社風に合わないからと退職を迫られた」「年次昇給の際に昇給なしにされた」といった措置は、あってはならないものです。 ■業務に支障が出るような連続休暇は常識に反する可能性が高い 有給休暇が労働者の権利でも、業務に支障をきたすほどの連続休暇になったり、繁忙期と重なったりすれば、同僚に迷惑をかける可能性が高いでしょう。人事評価などに影響はなかったとしても、関係性の悪化につながるケースも想定できます。 有給休暇を取得するには、同僚や上司による業務のフォローは不可欠です。有給休暇を取得したい日が決まったら、周囲にその旨を伝えるとか、業務の調整をしておく、休暇明けに感謝の意思を伝えるといった対応をしておくことが、関係性をスムーズにする気配りでしょう。