外環道「関越~東名」悲願の“トンネル掘進再開”どうなる!? 最新状況が発表 陥没地点の「地盤改良」完成まで「あと1年」
悲願の外環道「東名直結」どうなった
NEXCO東日本・NEXCO中日本・国土交通省は2024年12月21日、外環道(関越~東名)の工事のうち、陥没現場付近の地盤補修作業について、今の状況を公表しました。 【画像】超便利!? これが「外環道」壮大な計画ルートと工事状況です(30枚以上)
都心郊外をぐるりとむすぶ外環道は、放射する東関東道・京葉道路・常磐道・東北道・関越道などを相互につなぎ、都心の一般道の大渋滞をスルーさせる役割を担っています。 そんな外環道ですが、関越道の大泉JCTで止まったままで、そこから南下して中央道・東名高速へつなぐ延伸区間がまだ開通していません。 もともとは本線部分の上下線2本の地下シールドトンネルを、北側と南側、計4基のシールドマシン体制で掘進していました。 しかし2020年10月に、調布市内の地上で陥没事故が発生し、しばらく工事はストップ。北側の2基は2022年2月に掘進再開しましたが、南側はまだストップしたまま。単純計算で工事の進捗が半分になってしまっているのです。 南側が掘進再開するためには、まず陥没地点の周囲を、ふたたび陥没しないように地盤改良するしかありません。 この地盤改良は「直径約4m、長さ約40mのパイプ」を地中に打ち込み、その中の土をセメント混合して固めるという作業です。 必要なセメント改良の本数は約220本分。作業は2023年8月から始まり、2024年4月末時点で「約2割が完了」という報告がありました。 それから半年。今回、その地盤改良の「最新の進捗状況」が発表されました。 2024年11月末時点の進捗状況は、約220本のうちの「約3割」です。単純計算で「7か月で1割(約20本)」しか進んでいない状況です。 しかし、作業スピードが遅いわけではありません。公開資料によると、1本を終わらせるのにかかる日数は「5日程度」。地盤補修マシンは「最大4基」で施工できるといいます。順調に進めば、今より段違いに速い進捗も可能です。 時間がかかっている原因のひとつが、地盤補修の対象エリアにある家屋を撤去する必要があることです。この家屋解体は約30件のうち、すでに21件が完了したとのこと。 もともと「2年程度」で終わるとされていたこの地盤改良。見込みどおりであればすでに終わっている時期です。しかし今回、当初計画からの工期延長は「1年程度」と明記されました。 つまり、地盤改良の完了まで、あと1年ほどだという見込みです。そのあとはいよいよ、南側シールドマシンの掘進再開の準備に進み、悲願の「4基体制」が復活していくことになると期待されます。 この「あと1年」を実現するキーは、地盤改良作業そのものではなく、「家屋移転が順調に進むかどうか」としています。果たして交渉はスムーズに完了するのか、引き続き今後の動向に注目です。
くるまのニュース編集部