「農家=時給9.9円」に待った! 広告代理店→24歳で農業の道へ 「農協に頼らず儲ける戦略」とは?
日本の農業では高齢化と就業人口の減少が長らく問題になっており、農業従事者の平均年齢は「68.7歳」だ。 【映像】「玉ねぎの山」を余裕で持ち上げる黒田さん(27歳) しかし、ここ数年で“明るい兆し”も出始めている。農業の求人情報サイト「農業ジョブ」によると、新卒向け就職説明会では、年々農学部以外の学生の比率が増加、就職の選択肢として考える学生が増えているようだ。 また、最近はSNSで積極的に農業の魅力を発信する若者が注目されている。 インスタグラムやTikTokを活用し、農業の魅力を伝えている「農家の孫まっち」として活動する黒田茉佑さん。広告代理店を退職し、24歳で農業の道へ進んだ。 「親が定年退職後に実家の農業を継ぐことが決まっており、親孝行したいと思っていた。とはいえ、農協に野菜を作って出荷しても利益は残らないので、自分で高く野菜を売れるのではないかと思い参入した」(黒田さん、以下同) 淡路島で玉ねぎづくりに関わるようになった黒田さん。畑違いな分野に参入して感じたのは農業に関する情報の少なさだ。 「農業に参入しない理由は情報量が圧倒的に少ないことだ。また、農業は儲からない、大変というイメージが強すぎる。本当は売り方ややり方次第ですごく良い仕事になる。自然に触れて土に触ったら心が穏やかになり、吸収するものも多い。SNSで農業の楽しさを発信することで、イメージも変わるのではないか」 現場の魅力を発信できず、ネガティブなイメージが根強く残り、若者が集まらないという悪循環に挑戦する黒田さんは、SNSを駆使して販路を広げるなど、若者ならではの行動力で農業の可能性を広げている。 「自分のサイトがあり、毎週関西を中心に配達もしている。また、60店舗ほどの飲食店に直接販売し、東京や地方にも発送している」 黒田さんは周辺の農家からも作物を買い取り、独自のルートで販売。味の向上やブランディング次第で一生懸命作った野菜が価格としてちゃんと評価される仕組みを確立している。 「見せ方ややり方次第で収入は全然変わる。野菜を作るだけが農業ではない。私のように販売をメインに発信することに需要があると感じている」