平和の願い青龍にのせて、ウクライナ人画家が八坂神社に絵馬奉納…「青と黄」で描く
ウクライナ人の画家ニナ・ブチェバさん(44)が、青龍を描いた絵馬(縦約80センチ、横約120センチ)を八坂神社(京都市東山区)に奉納した。同神社の祭礼・祇園祭を前に、平和への願いを広めたいと制作した。絵馬は境内にある常磐新殿に設置される。(畝河内星麗) 【写真】大阪市内の専門学校の壁面に巨大な昇り竜の絵を描いたニナ・ブチェバさん
ニナさんはウクライナ南部出身。ロシアによる侵略前は絵画教室を主宰していたが、攻撃が激化した2022年9月、SNSを通じて交流があった知人を頼って日本に避難した。現在は大阪市で生活しており、これまでにも大阪府内の神社に絵馬を奉納するなどしてきた。
八坂神社への絵馬の奉納は、ウクライナ避難民らを支援する「日本文化構造学研究会」の協力を得て実現。同神社本殿の下には「龍穴(りゅうけつ)」と呼ばれる池があると伝わり、龍神信仰があることから青龍を題材に選んだ。
制作には約1か月かけたといい、岩絵の具や胡粉(ごふん)など日本の伝統的な画材を使用。「願いがかなう」とされる宝珠をつかみとる青龍を、ウクライナ国旗と同じ青や黄色で力強く描いた。
6日に奉納したニナさんは「龍はウクライナの人々のたくましさを象徴している。幅広い人々にウクライナと日本への愛を届けたい」と語り、同神社の野村明義宮司は「絵馬に込められた平和への思いを感じた」と感謝した。
特別御朱印を15日から授与
奉納を記念し、15日午後から絵馬に描かれている青龍をあしらった特別御朱印(1000円)を参拝者に授ける(なくなり次第終了)。