通勤電車で座れなくて辛いです…「グリーン車」で通いたいのですが、「通勤手当」として認められるのでしょうか?
混雑した電車での長時間の通勤は、身体的にも精神的にも大きな負担となります。座席に座れない状況が続くと、仕事のパフォーマンスにも影響を及ぼしかねません。 本記事では、快適に通勤したいことを理由として、会社にグリーン車の利用を申し出た場合、通勤手当として認められるのか、税務上どのような取り扱いになるのかについて調べました。 ▼新幹線で1人で「2席分」の購入はNGなの? 規則を確認
通勤手当の基本的な考え方
通勤手当とは、従業員が自宅から職場まで通勤する際にかかる費用を企業が支給する手当のことです。一般的に福利厚生の一環として扱われ、企業によって支給方法や金額が異なります。 あくまでも「手当」であるため、法律で義務付けられたものではなく、企業が自由に決定できる事項です。そのため、会社が通勤手当として認めればグリーン車で通うこともできるでしょう。 また、通勤手当は所得税法上、月額15万円までが非課税扱いです。ただし、この非課税措置が適用されるのは「最も経済的かつ合理的と認められる通勤の経路および方法」による場合に限られています。経済的とは最も安いルート、合理的とは最も速いルートのことです。 ■グリーン車は「経済的かつ合理的」? グリーン車は一般車両に比べて座席が広く、混雑を避けられます。朝の混雑する時間帯にも、ゆったりと通勤できるでしょう。ここで問題なのは、グリーン車が「経済的かつ合理的」な通勤手段として認められるかどうかです。 グリーン車がある列車は、新幹線と一部の在来線です。所得税基本通達では、新幹線の運賃などの額も含まれると規定されています。通勤距離や時間から考えて、明らかに新幹線が合理的な手段と判断されれば、新幹線定期代は非課税です。 しかし、グリーン車については、同じ基本通達で「特別車両料金等」は含まれないことが明記されています。これは、グリーン車が通常の車両と比べて割高であり、必ずしも経済的とはいえないためです。 そのため、一般的にはグリーン車が「最も経済的かつ合理的」な通勤手段とは認められない可能性が高いといえます。 ■グリーン車通勤の税務上の取り扱い グリーン車を利用して通勤した場合、利用分の金額は源泉徴収の対象となります。 月の通勤費用が、グリーン乗車券を含めて非課税枠の15万円未満でも、グリーン乗車券代およびグリーン定期代と、通常の定期代との差額は給与として課税されると考えておきましょう。 ただし、グリーン乗車券代を会社が負担しても、社内規定などにより相当の理由がある場合は非課税となるケースもあります。例えば病気が理由であったり、身体に障害があったりするなど、混雑した電車での通勤が難しいと認められる事情がある場合です。 いずれにしても、グリーン車通勤が認められるには、以下の2点を満たす必要があると考えられるでしょう。 ・グリーン車の利用条件について明確に定めた社内規定がある ・会社に相談した上で、承認を得ている
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