仮装身分捜査、違法求人削除促進、海外SNSとの連絡強化…政府が闇バイト緊急対策
交流サイト(SNS)を通じて犯罪実行者を募る「闇バイト」による犯罪が多発していることを受け、政府は17日の犯罪対策閣僚会議で、緊急対策をまとめた。警察官が架空の身分証を使い捜査する「仮装身分捜査」の早期導入や募集者情報のない違法な求人広告の削除促進、海外SNS事業者との連携強化などを盛り込んだ。 【表でみる】SNSなどでの闇バイト募集の構図 闇バイトの募集者らが応募者に免許証画像などの個人情報を要求していることから、警察庁は警察官が偽の身分証を作成して捜査に当たる仮装身分捜査の導入に踏み切る。来年早期の実施に向け、ガイドラインの作成など詰めの作業を進めている。 また、職業安定法は求人を出す際、募集者の名称や住所、連絡先、就業場所、賃金などの表示を求めている。こうした記載がない求人は違法であることを改めて周知し、情報を掲載するプラットフォーム事業者などが削除しやすいようにする。掲載時の審査も厳格化するよう求めるという。 SNSのアカウント開設時の本人確認強化を事業者に依頼するほか、犯罪実行者追跡のための防犯カメラ増設、SNS事業者との連絡強化も盛り込んだ。 SNSは日本法人がある場合は日本法人と、ない場合は本社に連絡を取り、日本法人設置も呼びかける。これまで闇バイトでは、秘匿性の高い「テレグラム」「シグナル」といったアプリが使われる例が報告されているが、両者とも日本法人はないという。 政府の担当者は「闇バイトによる強盗が多発し危機的状況だ。まずは緊急にできるものを中心に取りまとめた」と話している。