【ボクシング】日本スーパーフライ級王者の高山涼深が3度目の防衛「もっと上を目指して」
<プロボクシング:フェニックスバトル124&DANGAN270大会>◇12日◇東京・後楽園ホール◇日刊スポーツ新聞社後援 日本スーパーフライ級タイトルマッチ10回戦で、同級王者高山涼深(28=ワタナベ)が3度目の防衛に成功した。 35歳の同級12位青山功(セレス)の挑戦を受け、2回3分6秒、KO勝利を飾った。「練習したパンチが当たって良かった」という左ボディーを脇腹にねじ込み、前に出ながら重圧をかけながら右フックでぐらつかえた。続く2回の終了間際、右ストレート、右フックでダウンを奪って仕留めた。 指導を受ける小口忠寛トレーナー(54)とともにV3防衛の喜びを分かち合った高山は「最初から相手が出てくると思ったので迎え撃とうと思った。右ストレートの感触が良かった。左ボディーで相手が嫌な顔をしていた。小口さんからも攻めの姿勢が良かったと言われました」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。 今年7月に行われるカードだったが、自身の急性胃腸炎が原因で試合延期されていた。日程をスライドして再設定された3度目防衛戦だった。これでプロ戦績9勝(8KO)無敗。高いKO率を誇る自慢の強打でベルトを守りきった高山は「自分的には力んでいた。もっと長いラウンドができれば」と反省すると、小口トレーナーも「打ち合いが雑だった」と課題を挙げた。 高山は世界に2度挑戦した元日本スーパーフェザー級王者で元東洋太平洋2階級制覇王者の渡辺雄二氏のおい。現在、世界ランキングではIBF7位を筆頭にWBA8位、WBO9位、WBC10位に入っている。所属ジムの渡辺均会長(74)は「高山は力まないのが良い。あと数試合、スーパーフライ級でやればランキングも上がると思う」と世界挑戦への道について解説した。 まずは来春、最強挑戦者となる同級2位山口仁也(24=三迫)との4度目防衛戦に臨む。高山は「本当にこれからだと思う、明日からしっかり食事など気を付けて。小口トレーナーの目もあるので、しっかりと節制していきたい。もっともっと上を目指していける選手になりたいと思う。相手がサウスポーになるので気持ちを切り替えていきたい」と決意も新た。東京・五反田で行列のできる人気ラーメン店「中華蕎麦 無冠」のオーナーという「顔」も持つ高山が25年も世界ロードを突っ走る。