第一三共が2000億円上限に自己株取得、全株消却-株価一時5%高
(ブルームバーグ): 第一三共は25日、5500万株を上限に自己株式を取得すると発表した。発行済み総数に対する割合は2.87%、取得総額の上限は2000億円。取得期間は26日から2025年1月15日まで。
東京証券取引所における市場買い付けで取得し、すべて25年1月31日付で消却する予定。報道が伝わると同社株は上げ幅を広げ、一時前日比5.2%高の4977円と、2月1日以来の日中上昇率を付けた。終値は同0.8%高の4766円。
奥沢宏幸社長兼最高執行責任者(COO)は会見で、自己株買いを決議した背景について、抗悪性腫瘍剤のエンハーツが期待を大きく上回る力強い成長を示したことに加え、アストラゼネカとの強力な協業が進み、「今後の成長に対しゆるぎない自信を持つことができた」ためだと話した。
過去の自己株買いとしては、20年10月30日に、6000万株(1000億円)を上限に、同年11月2日-21年3月23日までの期間で実施を決定したと発表していた。
同社が発表した25年3月期の通期予想は、営業利益が2300億円と、市場予想平均の2436億円を下回った。
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Akemi Terukina