CUBERSの9年間が詰まったラストライブでの誓い「いつかまた必ず再結成したい」
2015年4月に活動をスタートさせ、2024年3月31日をもって解散した5人組ボーイズユニット「CUBERS(キューバーズ)」。彼らのラストライブ『CUBERS LAST LIVE - Final scene and Life goes on -』が3月31日に豊洲PITで開催された。 【写真】ラストライブで感極まって涙を見せる末吉9太郎 CUBERSの活動を長く見てきて、3月15日に刊行された『CUBERSメモリアルブック ~ポップデジタルタトゥー~』の全インタビューを担当したライターの坂井彩花が、ラストライブをレポートする。 TAKA、優、春斗、綾介、末吉9太郎、変わらずこの5人で9年間活動してきたCUBERSの魅力が詰まった3時間にも及んだライブの終盤には、再結成の誓いも飛び出した──。
「CUBERSはずっと味方だよ」と音楽で提示
「再結成するかはわからないですけど、解散後もメンバーと会いたいですね。一緒にこうやって夢を見てきた仲間なので」 これは『CUBERSメモリアルブック ~ポップデジタルタトゥー~』のグループインタビューでTAKAが口にした言葉である。あまりにも自然体で話していたので、未来の希望を語っているだけなのかと思った。しかし、3月31日に豊洲PITで開催された『CUBERS LAST LIVE - Final scene and Life goes on -』のWアンコールで、TAKAは次のように誓ったのだ。 「僕たちCUBERSは、本日3月31日で解散してしまいますけども、いつかまた必ず再結成したいと思います」 あの瞬間、ラストライブは9年間を締めくくる一日から、ファンに「また会おう」と約束した記念日になったのだ。 * CUBERSを象徴する赤と青のペンライトが煌めくなか、メジャーデビューソングの「メジャーボーイ」により、メンバーは登場。オープニングからキラキラとしたオーラを放ち、オーディエンスを魅了する姿は、夢を追いかけているアイドルそのものだ。振り付けを担当した夏まゆみ先生から学んだことも、5人の中に根づいているのだろう。 まだまだ駆け上がっていきそうな彼らを見ていると、「解散なんて嘘ではないか」とさえ思えてくる。「Five Step」で歌われているように、「夢が鳴る方へ」これからも進んでいくのではないかと。いつも以上のコール&レスポンスが華やいだ「妄想ロマンス」、ソロダンスがつながれる「Bi’ Bi’ Bi’」と、助走をつけない全力のパフォーマンスを展開していく。 最後の自己紹介を経て、ポップな楽曲とともにメッセージを伝えていくパートへ。Wのハンドサインが会場一体で揺れる「WOW」では、行ったり来たりしながら変化していく人生を肯定し、透き通った優しい歌声で届けられる「本日晴天快晴」では、「目の前にいるのはあなたでいたい」と変わっていく世界で変わらぬ関係を歌う。 「誰かに合わせ 君らしさを失うことがないように 輝いているように 傍にいよう」と紡ぐ「君に願いを」は、曲の冒頭を『踊らないワンマン』を彷彿させるピアノアレンジで披露。ピンスポに照らされながら、伝えたい想いを丁寧にマイクへ落としていく。この3曲の流れは「これまでと違う日常が始まったとしても、CUBERSはずっと味方だよ」と音楽で提示しているようだった。 前半の締めとなるセクションでは、一人ひとりが個性豊かなステージで魅せる「Dance section」を投下。2人のダンサーを引き連れた春斗が堂々としたステージングで先陣を切り、かわいさを封印した9太郎は大人の男性たる色気を発揮、自由でマイペースな優は彼らしく暴れまくる。 続く綾介は、得意のポップダンスを伸び伸びと披露して、ハイスキルな実力を誇示。TAKAはワイングラスやハットなどのアイテムを交えて踊り、その一挙手一投足に歓声があがった。最後には5人で集結し、メリハリのついたダンスで会場を魅了。9年間の中で、踊れるCUBERSになったことをパフォーマンスで証明した。 綾介にとって思い入れの強い一曲である「Twilight」は、スタンドマイクに想いを落とすようにして歌唱。振り付けがないからこそ、一段と歌に感情を乗せながら観客一人ひとりを目に焼きつけていくメンバー。「次の約束をしよう」という歌詞とともに掲げられた小指は、鮮明な意志を感じさせとても力強い。CUBERSの9年間を描いたような「For Good」で感謝を届け、前半を締めくくったのだった。