昨年から副業を始めました。年末調整はしたのですが、確定申告もしなければならないのでしょうか?
多くは雑所得として申告
さて、Aさんは副業だけで20万円を超えました。次は申告する所得の種類です。ケース3は給与収入(所得)になるので迷いませんが、あとの2つは主に雑所得もしくは事業所得になる可能性があります。 ただし、事業所得として認められるには、収入規模、帳簿書類の保存有無、社会通念上事業と言える程度の実態か、などいくつかの基準があり、税務当局による判定も関わるため、今回は始めたばかりの副業でもあり、雑所得としての取り扱いを確認します(※2)。 図表1
副業の所得は「業務に係る雑所得」です。この所得と、その他の雑所得および前出の一時所得などの合計が20万円を超えたら、確定申告の対象です。
確定申告書の記入方法
最後に、確定申告書の作成についてです(※1)。 1. 副業収入が給与支給の場合 確定申告書の第一表「収入金額等」の給与欄に、本業と合算した収入額を記入します。 次に、所定の計算式により所得額を算出し、「所得金額等」の給与欄に記入します。計算式は、国税庁の手引きに記載されています。また、国税庁の確定申告書等作成コーナーで作成すれば、所得は自動計算されます。第二表の「所得の内訳」欄に、給与の支払者別に収入金額や源泉徴収税額等を記入します。 2. 副業所得が業務に係る雑所得の場合 同じく第一表「収入金額等」の雑所得(業務)欄に税込みの収入金額を記入し、「所得金額等」の該当欄に必要経費を差し引いた所得額を記入します。次に、第二表の「所得の内訳」欄に、支払者別に収入金額、源泉徴収税額等を記入します。図表2を参照してください。 図表2 「業務に係る雑所得」の記入箇所
(国税庁「確定申告書等の様式・手引き等(令和5年分所得税及び復興特別所得税の確定申告分)/令和5年分確定申告書第一表」から著者作成) 最後に、他に雑所得があれば合算し、合計欄10に記入します。 なお、令和4年分以後の「業務に係る雑所得」については、前々年分の「業務に係る雑所得」の収入金額が300万円超の場合、「現金預金取引等関係書類」(請求書や領収書など)の5年間の保存が必要となりました(※3)。 副業を行う際は、毎年の申告手続きの改定にも注意しておきましょう。 出典 (※1)国税庁 確定申告書等の様式・手引き等(令和5年分所得税及び復興特別所得税の確定申告分) (※2)国税庁 法令解釈通達 法第35条《雑所得》関係 (※3)国税庁 No.1500 雑所得 執筆者:伊藤秀雄 FP事務所ライフブリュー代表 CFP®️認定者、FP技能士1級、証券外務員一種、住宅ローンアドバイザー、終活アドバイザー協会会員
ファイナンシャルフィールド編集部