その名はゲリラ!独自パッケージで世界中に侵略【ロイヤルエンフィールド ゲリラ450 海外試乗】
スペイン郊外のワインディングで理想的なコーナリングを披露!
真夏のバルセロナの日中は灼熱。試乗開始の8時30分には渋滞が始まっていたが、まずは「エコ」モードのゲリラ450で走り出す。豊かな低速トルクとスロットルを開けた時の気持ちよさやレスポンスの良さは、従来のロイヤルエンフィールドと同様。早めのシフトアップで低中速を繋ぐ走りも、少し回転を上げて元気に走るのもどちらも楽しい。 市街地を抜けてワインディングに入ったところで、エンジンモードを「パフォーマンス」に変更。するとエンジンが俄然元気になった。 試乗後、エンジニアに聞くとこれもあえての味付けとのこと。穏やかなヒマラヤと明確な差別化を図っており、少しヤンチャな性格が付加されているのだ。この加速感は使っているギヤ(3000rpm辺りから)によっては結構唐突なので、慣れるまでは注意した方がいいだろう。 とはいえベースは安定型のキャラクターだから、ライダーの操作にとても忠実。サスペンションはアベレージを上げても腰砕けになる感じはなく、ライダーが荷重を強めると減衰力を高め、タイヤのグリップを引き出す走りも可能にしてくれる。 シアット製の専用タイヤはブロックパターンとは思えないほどスポーティな走りに応えてくれ、深いバンクもしっかり許容。景色を見ながらクルージングできるし、コーナーも楽しめるスポーツネイキッドとしての魅力も持っているのだ。
ゲリラ450の排気量は452cc。日本では大型自動二輪免許が必要だが…
ゲリラ450の欧州でのライバルは、KTMやハスクバーナ、トライアンフの400cc未満のモデル。それらに比べるとプラス50ccのアベレージの高さが魅力のゲリラ450だが、日本においては大型自動二輪車免許を必要とする絶妙な排気量(452cc)には賛否が分かれるだろう。日本の普通自動二輪車免許で乗ることができる点では、ライバルたちに利があるのは事実だ。しかし僕の結論を言うと、ゲリラ450は大型免許を取得してでも乗って欲しいとおすすめできる絶妙なパッケージを持っている。 はじめてのバイクにはもちろん、ダウンサイジングを考えているライダーにもおすすめできるバイクというのは、実はまだまだ選択肢が少ない。そのなかでもゲリラ450に乗っているとバイクが好きになるし、バイクに乗るのが楽しくなるし、上手く乗りこなしたいという向上心も芽生えるだろうなぁ、という手応えを感じるのだ。 スポーティかつアグレッシブ、それでいてアクセシビリティなキャラクターを持つゲリラ450。この新たなるロイヤルエンフィールドスタイルは、多くのバイク好きを生み出してくれそうな気がしてならない!
ロイヤルエンフィールド ゲリラ450 主要諸元
・ホイールベース:1440mm ・車重(90%燃料+オイル):185kg ・エンジン:水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒452cc ・最高出力:40.02PS(29.44kW)/8000rpm ・最大トルク:4.08kgf・m/5500rpm ・燃料タンク容量:11L ・変速機:6速リターン ・ブレーキ:F=φ310mmシングルディスク、R=φ270mmシングルディスク ・タイヤ:F=120/70 R17、R=160/60 R17 ・価格:未定(日本導入時期は2025年予定)
小川 勤