惣菜売り場を横断する「処方型弁当」とは 慶應生とCIAL桜木町の取り組み
オープンから2周年となったCIAL桜木町のデリ惣菜売り場に7月15日と16日、一風変わったお弁当が登場した。 カプセル型のお弁当箱に、好きな店舗で買ったお弁当箱と同じ色のシールが付いた小さなパッケージの惣菜を詰めていく。4種類に色分けされた惣菜は、寿司、とんかつ、中華料理、韓国料理やスープ、フルーツまで、さまざまなメニューがそろう。色が示すのは、LINEの心理テストで診断した集中力、自信、やさしさ、さわやかのいずれかの自分に必要な効能だ。
脱「みなとみらいへ行く人のための桜木町」
画像を用いた簡単な質問に答えることで自分に足りない栄養素を診断し、売り場を回遊しながらおかずを選びを楽しめる「デリ・サプリ(DELICIOUS SUPPLEMENT)」は、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)の小川克彦研究室とCIALを運営する横浜ステーシヨンビル、JR東日本研究開発センターフロンティアサービス研究所(埼玉県さいたま市)が産学共同で開発を進めてきた。「生活インフラである駅から地域を活性させる」研究に取り組むSFC小川研究室の学生たちの柔軟な発想と、それを実現に漕ぎつけようと前例のないチャレンジに取り組んだプロの連携の賜物だ。
2015年春学期に「CIAL桜木町の店舗をプロモーションするメディアデザイン」という課題を与えられ、8班に分かれて現場に何度も足を運んだ40人の学生たちが同年7月にJR東日本本社でプレゼンしたのは、各テナントの女性店員にスポットを当てる「miss CIAL」、"自撮り"スポットの設置、柱を使ったトリックアート、コースター&紙袋広告など。中でも複数店舗を横断する新しい販売スタイルを提示した「CIALオリジナル弁当」が注目を集め、事業化を目指すこととなった。オリジナル弁当チームの愛宕沙也さんは「みなとみらいへ行く人のための桜木町になっているな、というのが皆の印象で、桜木町でもっと人を足止めしたいよね、とどのチームも共通して考えていたと思います」と話す。