価格高騰中のジープ・ラングラー「頑張ればなんとか手が届きそう」なお値段とは?【試乗記】
● ポルシェ911のように 本物ならではの世界観を伝える 魅力は独特のフットワークだ。伝統のラダーフレームと前後リジッド式サスペンションの組み合わせは、まるで路面を鷲掴みにするような感触を伝える。重い車重とオールテレインタイヤを武器に、着実に進むフィーリングはラングラーならでは。どんな路面だろうと踏み越えていけそうな安心感をドライバーに伝える。 路面状況に応じて4WD機構はさまざまに切り替えられる。そして走行モードを変更すると、走りが明確に変化する点もラングラーの個性だ。まさに超一級の道具である。その潜在能力を引き出すためには、クルマ任せにすることなく、ドライバーに一定の習熟を要求する点も素晴らしい。しかも快適性は優秀。乗り心地は決してハードではなく、走行中の騒音レベルも低め。高いアイポイントから周囲を見下ろすクルージング体験は格別だ。 サイドステップが未装備のスポーツの場合、乗降性に難があるが、体幹が鈍っていなければ大丈夫。ラングラーは自らの体力の衰えを防ぐトレーニング道具にもなる。 ラングラーは、まるでポルシェ911のように本物ならではの世界観を伝える。乗るほどに発見があり、人、そして地球との対話が楽しめる道具である。こんなクルマは他にない。人生は一度。より輝かせるのに最適な1台である。 (CAR and DRIVER編集部 報告/横田宏近 写真/山上博也)
CAR and DRIVER