“25億円返済しなくていい”、大谷翔平プレーオフ中に予定されていた水原一平の判決言い渡しが延期
「ずっとやりたいなと思ってきたので、本当に今日できてよかった。幸せな気持ちです」 日本時間9月27日、ドジャースが3年連続の地区優勝。大谷翔平はメジャーリーグ7年目で初めてのシャンパンファイトとなり、ずぶ濡れになりながら喜びを語った。 【写真】VIP席で生観戦、大谷翔平の後ろでオーラを放つ東山紀之と木村佳乃
延期となった“判決言い渡し”
「今シーズンは、メジャーリーグ史上初となる50本塁打と50盗塁の“50-50”を達成したうえに、さらに記録を積み上げるほどの大活躍でした。地区優勝を決めた試合でも、同点の場面で勝ち越しのタイムリーヒットで勝利に貢献。ドジャースは10月6日から世界一に向けてプレーオフを戦う予定です」(スポーツ紙記者、以下同) 順調に勝ち進むと10月26日から世界一をかけたワールドシリーズを迎える。その初戦の日に予定されていた“あること”が延期になった。 「大谷選手の口座から違法なスポーツ賭博の胴元へ不正に送金したとして、銀行詐欺罪などに問われている水原一平被告への判決の言い渡しが12月21日に変更となりました。水原被告の弁護士によると、精神科医によるギャンブル依存症の診断書が期日に間に合わないことが理由。当初のワールドシリーズ初戦と同日から延期になったことは、大谷選手にとってよかったのかもしれません」 この期日の延期は裁判にどのような影響を与えるのだろうか。『樋口国際法律事務所』の国際弁護士である樋口一磨弁護士に聞いた。 「判決に影響することはあり得ます。水原氏の弁護人としては“水原氏はギャンブル依存症という病気なんだ”と情状酌量を求めて、少しでも刑を軽くするために証拠を出したい。なので、裁判所が酌量の余地があると判断すれば刑が軽くなる可能性はあります」
25億円は戻って来るのか
この裁判のほかに、水原氏は大谷から“盗んだ”約25億円の返済や、所得申告漏れによる追徴課税、約1億6000万円を支払う必要がある。 「水原氏が刑期を終えてから日本へ強制送還される、されないにかかわらず、大谷選手にお金を返さなくてはいけないですし、税金も払わなければいけません。それは間違いないのですが、ないものは払えないというのも現実。水原氏がアメリカにいる場合は、日本の国税庁に相当するIRSが州の法律に基づいて、裁判をして水原氏の給料などを差し押さえることができます」(樋口弁護士、以下同) 一方、水原被告が強制送還になった場合は事情が異なるようだ。 「民事事件の判決は、その国内でしか基本的に有効ではありません。水原氏が日本にいる場合、日本の法律に基づいて給料などの差し押さえを行わなければならず、そのための手続きが大変なため、回収は難しくなります」 大谷にとっても盗まれた25億円を取り戻すのは簡単ではないようだ。 「大谷選手の場合、水原氏が日本にいても、日本で裁判を起こして水原氏の給料などを差し押さえることはできます。ただ、訴えることでまた騒動になることを考慮すると、大谷選手が訴えないということも十分に考えられます」 悲願の地区優勝の裏で進んでいる水原被告の裁判。刑事罰は免れないが、裏切った大谷への返済をせずに逃げ切るのだろうか。