リノベーション宿がトレンド! 今泊まりたい、ホテル&旅館 5選
近年オープンするホテルや旅館のなかで、ひとつのトレンドともいえるのが、既存の建物を生かした「リノベーション宿」。元小学校、元銀行、元武家屋敷、元社屋、元百貨店……と、古い建物や家屋を改修。モダンで快適な空間に生まれ変わらせることで、独特の建築美と歴史的な価値を同時に楽しめるホテル・旅館が全国で多く誕生している。 そんなリノベ宿は、文化の継承や保存といった面でも重要な役割を果たす注目の存在。古い建物はしばしば、その地域の歴史や遺産を象徴し、なかには重要文化財などに指定されているものも。これらが宿泊施設として生かされることで、地域に新たな魅力を与え、次世代に受け継ぐことができるのだ。もちろん、既存の建物を解体して新たな宿を建てるより、資源消費や廃棄物の削減につながる場合も多い。 ここでは、地域に愛されたランドマークや、重要文化財に指定されている名建築など、歴史的価値のある建物を改修し、新たな命を吹き込んだ全国の宿をご紹介。新築ホテルとはひと味違う、リノベならではの趣あるステイを堪能して。
ザ・ホテル青龍 京都清水(京都)
2011年まで実際に使われていた元清水小学校の校舎をコンバージョン(建物の用途を変更し再利用すること)し、誕生したのが「ザ・ホテル青龍 京都清水」。同小学校は1933年に建設され、モダンで洋風な鉄筋コンクリート校舎は当時から地元住民の自慢だったとか。 ホテルとしてオープンさせる際、重視されたのは建築当時から外装・内装ともに高く評価されていたデザインを保存・活用すること。小学校跡地でのホテル開発が盛んな京都市においても、完全に校舎を残しているのはここだけ。まさに記憶を継承するヘリテージホテルとなっている。
特に階段や廊下といった共用部では、梁や腰板張りなど、当時をしのばせる装飾が多く残存。館内をゆっくりと見てまわれば、ラグジュアリーな空間のなかにどこか懐かしさも覚えるはず。 元講堂だった空間はゲスト用レストランになっており、天井高たっぷりの空間でウェルビーイングをテーマにした朝食を楽しめる。また、小学校として使われていた当時の写真や地域にまつわる資料などを展示するアーカイブコーナーもぜひ訪れてみよう。