【天皇賞・春 みどころ】長距離を愛し、長距離に愛された馬たちによる伝統の大一番
そんなドゥレッツァに対し、リベンジに燃えているのがダービー馬、タスティエーラだ。 弥生賞を制してクラシック戦線の主役に躍り出ると、皐月賞はいったん先頭に立つもソールオリエンスの爆発的な末脚に敗れて2着。最後まで集中して走ることが課題とされたが、その課題は続くダービーで克服。 ダミアン・レーンの華麗な手綱さばきで直線早めにスパートを打ち、またもいったん抜け出したが今度は最後まで首をしっかりと下げて走り、見事に勝利。集中した時の強さを見せる形になった。 しかし、その後のタスティエーラは勝ち星から見放される。二冠を目指した菊花賞はドゥレッツァを捕まえられず、古馬初挑戦となった有馬記念は大幅な馬体増が響いて6着。 4歳年明け緒戦となった大阪杯では1番人気に支持されたが、先行策からの末脚勝負で全く脚を伸ばせず、11着に大敗。ダービー馬らしからぬレースに落胆したファンも多いことだろう。 菊花賞で敗れたドゥレッツァへのリベンジはもちろん、古馬相手に久しぶりの勝利をあげたい今回は大幅に距離を延ばしての一戦。 ダービー以降、最も距離が短いレースになったためかやや忙しそうにしていたレース序盤のことを考えると距離が延びた方が本領を発揮する可能性はある。ダービー馬の誇りをここで見せることはできるだろうか。
そんな4歳馬たちに立ちはだかったのが、歴戦の古馬の勇者たち。中でもステイヤーとしてのポテンシャルの高さはテーオーロイヤルの右に出る者がいない。 2年前のダイヤモンドSを制して以降、前走までに9戦しているが、その中で3000m以上のレースを走って[3・1・1・0]という圧倒的な好成績をマーク。 明け6歳になった今年はダイヤモンドS、阪神大賞典をともに先行抜け出し策で見事に連勝。3000m以上のレースでの無類のスタミナを見せつけた。 長距離戦での無類の適性の高さ、そして圧倒的なスタミナを武器にした強気のレース運びで今度こそ春の盾を掴むだろう。