ホストで多額の“借金”なぜ… トラブル相談が急増 新宿区や警視庁…高額請求被害の対策へ【#みんなのギモン】
■売掛金が数百万円…ホストの紹介で売春をして借金を払うことに
そして、過去にホストにはまって、売掛金が数百万円にも膨らんでしまったという人は、ホストから次のような言葉をかけられていました。 “ホスト”にはまり数百万円の借金をした女性 「『(この女性が)いなくなったら困るよ』って言われて、その言葉を純粋に信じちゃってましたね。(高額な支払いでも)『後で払ってもらえば大丈夫だから』って」 この女性はその後、ホストの紹介で売春をして借金を払うことになったと話していました。
■「ホストクラブが居場所」…そこにつけ込む悪質ホストも
このようなケースは、どのぐらい増えているのでしょうか。 新宿区の会見に出席していた「青少年を守る父母の連絡協議会」はホストクラブをめぐるトラブルの相談も受けていますが、この団体によると「売掛金の返済」などの相談はここ数年「月に数件程度」でした。それが、直近の4か月ほどで「約250件」にまで膨れ上がり、その多くが新宿・歌舞伎町の相談だといいます。 なぜ、これだけ増えているのでしょうか。 この団体によると、コロナ禍で寂しさを感じる女性が増え、ホストクラブに憧れを持っていた特に10代後半から20代の女性が、コロナが落ち着いて大勢、歌舞伎町に来るようになりトラブルにもなっているといいます。 取材を受けてくれた女性も「ホストクラブが居場所になっていました」と話していました。悪質なホストは、そこにつけこみ言葉巧みに店へと誘い込みます。そして、自分から客が離れないよう“マインドコントロール”していくといいます。 「売掛金」というシステムがあると、それほどお金を持っていなくても、それ以上にお金を使ってしまう…。そこが問題だといえます。
■ホストクラブは「売掛金の上限や年齢制限など“ルールを協議”」
まずホストクラブ側は、どう考えているのでしょうか。歌舞伎町のあるホストクラブのオーナーは、取材に対して次のように話しています。 ホストクラブのオーナー 「売掛金に上限や年齢制限を設けるなど、統一したルール作りについて協議している」 一方で、売掛金トラブルの相談にのる若井綜合法律事務所の小師健志弁護士によると「売掛金そのものを今の法律で禁止したり、金額の上限を定めたりすることはできない」と言います。