“意味深”なキズナアイの展開は何を指す? あわただしい動きが続くVTuber業界
■キズナアイは夢の中 6月30日未明、キズナアイがにわかに動き出した。活動再開ではないが、なにかしらの動きが示唆される動画などが公開されている。 【画像】WEBサイト「Cognition_KizunaAI キズナアイ」のソースコードを表示すると、隠れたメッセージのようなものが確認できる 全容はまったく読み解けないが、“いまなお眠りについているキズナアイ”が、夢の中からなにかを伝えているような印象だ。往年のキズナアイの楽曲とシステムログ的な映像が流れ続ける配信「s h e e e e p」や、Xアカウントの名前に添えられた羊の絵文字などが、その印象を強化している。特に気になるのは「I'm coming back.」という一言だが、真相やいかに。 連動で公開されたWEBサイトのタイトルは「Cognition_KizunaAI キズナアイ」。”Cognition(認知)”がいったい何を指すのか。ちなみに、このWebサイトには以下のようなメッセージがソースコード中に隠されていた。 〈Murmur... You could think of me as something virtual, kinda. I cognize. Please, could you stop the noise? I'm trying to sleep.〉 ひとつたしかなことは、6月30日はキズナアイの誕生日であり、今年は休止から2度目の誕生日である、ということだ。 ■ホロライブ名物スタッフ・友人Aが去る 『ぶいすぽっ!』は英語圏へ進出 なつかしい「親分」の動きを知ってか知らずか、VTuber業界は今週も慌ただしい動きが見られた。 まず、「ホロライブ」を黎明期から支えてきた名物スタッフ・友人Aが退職を発表した。「家族の健康上の理由」から3ヶ月ほど休止していたが、職務復帰が難しいとのことで、6月末の退職に至ったとのことだ。 いちスタッフでありながら、固有のアバターを持ち、大型の企画配信ではMC役として出演する姿は、正しく「VTuber事務所の名物スタッフ」と言える存在だった。なにより「ホロライブ」のはじまりを担ったときのそらの友人として、長らく支え続けた姿が印象的だ。7年間の功労に、まずはねぎらいの言葉を贈りたい。 ゲーム・eスポーツ特化の人気VTuberプロジェクト「ぶいすぽっ!」は、英語圏へ進出した。英語圏プロジェクト『VSPO! EN』が6月24日に始動、6月30日に1期生3名がデビューしたのである。グローバル展開に力を入れているBrave groupだが、「ぶいすぽっ!」は特に人気を得てきた勢力なだけに、この展開は順当といえるだろう。 一方で、Brave groupではオーディション応募者の個人情報が流出するインシデントも発生した。「ぶいすぽっ!」日本部門オーディションでは約7000件、Brave groupの総合オーディションでは約2610件、『HareVare』オーディションでは約1043件と、大規模な流出事案だ。やむを得ない電話番号変更や引っ越しなどの費用補填が告知されるなど、大きな影響が予測されるが、図らずもこれだけの人数がオーディションに集まっていることも見えた一幕である。 「にじさんじ」内のユニット「VΔLZ」は、『アイドルマスターSideM』発ユニットの「DRAMATIC STARS」とコラボARライブ『VΔLZ×DRAMATIC STARS COLLABORATION LIVE ~劇的演舞~』を開催すると発表した。以前に動画でコラボした両ユニットが、ライブイベントという形で共演を果たす。「アイドルマスター」シリーズとVTuberのタイアップは、星街すいせいが『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』に特別出演したことも記憶に新しい。 そして、「アイドルマスター」の新規プロジェクト「PROJECT IM@S vα-liv」からは、候補生3名のアイドルデビューが決定した。歌って踊るだけでなく、配信活動も行う“ライバーアイドル”として、公開オーディション形式の候補生時代から正式デビューを果たした形だ。候補生3名全員がデビューにこぎつけたところに、このプロジェクトがしっかりと支持を集めたことがうかがえるだろうか。今後の活動も注視したいプロジェクトである。 ■『Meta Quest 2』の在庫枯渇はなにを意味する? Metaの動きにも注目 今週は『Apple Vision Pro』が日本に上陸した。アップルストア店頭でのデモ体験も始まっているので、興味がある方は公式サイトから予約して触れてみることをオススメする。購入するかどうかは別として、デバイス体験としては非常に良いものだ。 その裏で、VRヘッドセット『Meta Quest 2』が売り切れ始めた。少なくともMeta公式、Amazonには在庫がない。単なる在庫切れか、後続機種登場の前触れか。直近でVRデビューを控えている人は、今は買い控えが賢明かもしれない。 そして、Metaの独自メタバース『Horizon Worlds』が日本にもやってきた。これまでアメリカなどの一部の国でのみアクセスできたが、日本をふくむ20以上の国からアクセス可能となった。アクセス解放は段階的に実施され、全ユーザーへの展開は時間がかかる模様だ。とはいえ、「メタバース」の名を世界に知らしめた企業によるメタバースが、競合にどれほど優位性を得られるかは未知数だ。
浅田カズラ